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令和の野球探訪BACK NUMBER
新庄剛志監督も「プロでもトップクラスの肩」と大絶賛…《日ハムドラ2新人捕手》進藤勇也は“2年連続最下位チーム”の救世主になれるか?
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2024/02/13 06:01
ドラフト2位で上武大から日本ハムに入団した進藤勇也。大学時代から日本代表で活躍するなど大器の片鱗を見せていた
アマチュアとプロ。同じ野球であっても、そこには大きなレベルの違いがあるはずなのだが、今のところ学生時代と遜色ないプレーを見せている。筑陽学園高の江口祐司監督(現総監督)が「緊張していてもプレーに影響が出ない」、上武大の谷口英規監督が「慌てない。肝が据わっている」と、恩師たちが高く評価する精神性が根幹となっているのだろう。そしてそれに裏打ちされた精度の高いプレーがチームの勝利に直結してきた。
上武大時代は大学日本代表でも活躍
筑陽学園高では3年時に春夏連続で甲子園出場し春は全国8強入り。数ある大学の誘いの中から「野球が上手くなるには一番の環境」と進学した上武大では2年春に全国4強、3年春に全国準優勝に導いた。
さらに侍ジャパン大学代表では3年時から正捕手を務め、4年時の日米大学野球では全5試合で先発マスクを被った。他校の投手たちとコミュニケーションを積極的に図り特徴を掴むだけでなく、初見の相手の特徴も察知。
MLB予備軍とも言うべき有望株の強打者たちが「緩急への対応が想像以上だった」と大会序盤で気づくと、「打者の目線を上手くズラしていく必要がある」と大会途中から高低を有効に使う配球に組み立て直し、投手陣を好リード。44回の歴史を数えてきた日米大学野球において、アメリカ開催では史上2回目となる優勝という快挙に貢献した。
こうした気遣いや洞察力は、プロの世界になっても変わらない。投手とブルペンや実戦での登板前後にコミュニケーションを取ることはもちろんのこと、日本ハム・山田勝彦バッテリーコーチは投球前後に見せる捕手としての資質に感心している。