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久保建英22歳は“流暢な3カ国語”で取材対応…その久保以上に“英語メディアに囲まれた”選手とは?「中継には映らなかった」バーレーン戦秘話
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/01 17:00
1月31日のバーレーン戦でゴールを決めた久保建英
インドネシア戦の後は日本メディアへの対応後に、スペイン語と英語でも対応。海外メディアにも丁寧に答える姿はSNSで話題になっていたと聞く。
バーレーン戦後は日本メディアの取材対応を終えると、次は中国メディアに英語で対応し、それが終わると今度は多国籍メディアが待ち受けていた場所に移ってここでも英語でしばらく対応していた。そう、久保は英語も流ちょうなトリリンガルなのだ。
久保よりも多くの英語メディアに囲まれた選手
バーレーン戦では久保が英語でメディア対応していた所から2、3メートルほど離れた場所で、冨安健洋が英語でメディアの質問に答えていた。記者の数は久保に話を聞いていた英語メディアよりも多く、イングランドプレミアリーグの雄、アーセナルの中心選手として君臨している威力がまざまざと見えた。
冨安は日頃から日本メディアの質問に対しても、ひとつひとつ言葉をしっかり選びながら丁寧に対応しており、バーレーン戦の前には、決勝トーナメントを戦う上での心構えについて「相手に希望を与えないことが大事。アウェーサポーターもたくさん来るだろうし、試合会場の雰囲気を殺すというか、相手に希望を与えずにスタートからエンジン全開でやる必要がある」とキラーワードを駆使しながら語っていた。
ところがバーレーン戦は蓋を開けてみると、むしろ勢いを見せてきた相手の出方を冷静に見定めながら試合を進めた印象だった。
試合後、冨安は「相手に希望を与えない」という表現の真意についてこのように語った。
「うーん、なんていうんですかね。積極的に行くことが自分たちのスタイルというわけでもない。我慢するから積極的な入りでないというわけでもない。そこはゲームの流れやメンタル的なもので、表面的なものではない。メンタル的にこっちから仕掛けるとか受け身にならないとかは、どの相手でも特に最初のゲームの入りは大事になるところ。表面的には出なくてもそこのメンタルのところだと思う」
冨安が指す意味で言うと、バーレーン戦の日本は相手のフォーメーションに対して短時間で中盤の位置取りを整理し、ピッチ内で共通意識を持ってプレーしており、「相手に希望を与えないメンタル」はしっかりと表現できていたということになる。