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久保建英22歳は“流暢な3カ国語”で取材対応…その久保以上に“英語メディアに囲まれた”選手とは?「中継には映らなかった」バーレーン戦秘話
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/01 17:00
1月31日のバーレーン戦でゴールを決めた久保建英
毎熊は試合後の取材現場でも冷静沈着
バーレーン戦の取材エリアでは、昨年9月にA代表デビューを飾り、国際Aマッチわずか6試合目でありながら2得点に絡んだ毎熊晟矢の、ピンと伸びた背筋や簡潔で要点を押さえた話しぶりが新鮮だった。毎熊は前半31分に約25メートルの強烈なミドルシュートで左ポストを叩き、堂安の先制ゴールをお膳立てすると、後半27分にはボックス右付近でDFに囲まれた上田を狙い、わずかに空いたコースに斜めパスを通し、とどめの3点目をアシストした。
上田のスーパープレーの起点となった場面について聞かれると、理路整然と説明した。
「板倉(滉)選手が持ち運んで、(自分が)高い位置を取った。南野(拓実)選手が抜けていたので使いたかったけど、自分が遅くなってしまってオフサイドかなと思ったら、上田選手が顔を出してくれた。彼の個人技で決めてくれた」
プレーと同様に口ぶりも終始冷静。落ち着いていられる理由を聞かれると、「よく言われるんですけど、ちゃんと緊張していますし、会場の雰囲気も感じていますし、日の丸を背負っている重圧というのも感じています」とこれも折り目正しく言った。
復帰・三笘薫の表情は嬉しそうだった
そして、三笘薫だ。バーレーン戦で今大会初めてピッチに立った背番号7は、圧巻のドリブル突破で敵陣を切り裂いた。一人だけ搭載しているエンジンが違っているようだった。取材エリアでは「まだまだ物足りない」と自分に厳しかったが、言葉と裏腹に、ピッチに戻ってこられたといううれしさが表情から見て取れた。中2日、中3日の連戦でチームに新たなエネルギーをもたらす存在になってくれるだろう。
ピッチ内で、バックヤードで、多士済々のメンバーがそれぞれの色を見せている森保ジャパン。個性と熱量がひとつの力にまとまり、トーナメントの頂点へ上り詰めていく姿が少しずつ色濃くなってきた。