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“2019年アジアカップ組”は5人だけ…森保ジャパンのメンバーは5年間でどう変わった?「三笘薫ら“トレーニングパートナー組”が大躍進」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2024/01/24 17:00
2019年のアジアカップから5年、新陳代謝を続けてきた森保ジャパン。2大会連続のメンバー入りはわずか「5人」にとどまっている
23年のテストマッチに出場しながらアジアカップのメンバーから漏れた選手は、フィールドプレーヤーにも数多い。橋岡大樹、瀬古歩夢、森下龍矢、伊藤敦樹、相馬勇紀、田中碧、鎌田大地、古橋亨梧らが、カタールでの戦いを観戦者として見つめている。1月のタイ戦で国際Aマッチデビューを飾った伊藤涼太郎、代表初出場初得点を記録した川村拓夢らも、カタール行きは叶わなかった。
さらに言えば、森保監督のもとでプレーしたことがないか、招集から遠ざかっている好素材もいる。海外のクラブに所属する選手なら、坂元達裕、三好康児、小川航基、金子拓郎らは、どこかのタイミングでテストされていい選手だろう。パリ五輪世代まで選択肢を広げれば、その数はもっと膨らむ。
どのポジションにも少なくとも2、3人の候補者がいて、激戦区では10人近くの選手がしのぎを削っているのだ。4年という時間軸のなかで、選手の入れ替わりが激しくなるのは必然だろう。
「欧州でプレーしているだけ」では呼ばれない選手層
現在の日本代表を評して、「史上最強」との形容詞が頻繁に使われるが、このチームの強みは選手層にある。19年アジアカップ当時だけでなく、どのタイミングの日本代表と比較しても選手層がズバ抜けている。
21世紀初頭の日本では「どこでプレーしているのか」に小さくない意味があった。ヨーロッパのクラブでプレーしていれば、一度は代表入りのチャンスが巡ってくるようなところがあった。
2024年のいまは違う。「どこでプレーしているのか」に加えて、「どれぐらい試合に出ていて、どれぐらい結果を残しているのか」が問われている。
昨年は南野が代表から遠ざかり、今回は鎌田がメンバーから外れた。日本代表に選ばれるまでの競争が激しくなり、選ばれても結果を残さなければ、実績のある選手でも序列が下がる。シンプルかつ明確な競争原理が働くことで、世代交代とボトムアップが同時に実現しているのだ。
バックアッパーが行列をなす現在のチームに、アンタッチャブルなポジションはない。今回のアジアカップが思いがけない結果に終わったりすれば、チームに手が加えられるはずだ。チーム作りが立ち止まることはなく、それが国際的な競争力を高めていくのである。