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“2019年アジアカップ組”は5人だけ…森保ジャパンのメンバーは5年間でどう変わった?「三笘薫ら“トレーニングパートナー組”が大躍進」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2024/01/24 17:00
2019年のアジアカップから5年、新陳代謝を続けてきた森保ジャパン。2大会連続のメンバー入りはわずか「5人」にとどまっている
森保監督が推し進める「W杯を見据えたチーム作り」
カタールとの決勝戦で敗れたチームは、22年のW杯を戦うチームの原型となった。GK権田、右SB酒井、左SB長友、CB吉田、冨安、MF遠藤、南野、堂安らがそのまま中核を担っていき、アジアカップでは控えだった伊東が大会後のヨーロッパ進出を契機に台頭することとなる。チーム結成後初の国際大会となるアジアカップから、森保監督は22年を見据えていたと考えられる。
カタールで戦っている今回のチームも、26年までの視野で編成されているのだろう。タイトル奪還だけを考えるなら、昨年のJリーグでトップパフォーマンスを取り戻した大迫勇也を招集してもいい。26人でのチーム編成が継続されていることを踏まえれば、チームのまとめ役になれる経験豊富な選手を加える選択肢もあっただろう。
しかし、森保監督は26年のW杯出場を現実的に狙える選手でチームを固めた。32歳の選手が最年長なのは前回と変わらないが、30代の選手は5人から3人に減った。
森保監督が世代交代を進められた理由は分かりやすい。次世代のタレントが育ってきているからだ。
長友の後継者となる左SBは、カタールW杯の時点で中山雄太(本大会前にケガで離脱)と伊藤に起用の目途がついていた。酒井が抜けた右SBには、菅原がピタリとハマった。
菅原は19歳でオランダ1部のAZへ移籍し、5シーズン目を迎えている。日本代表には20年10月のカメルーン戦でデビューを飾っており、森保監督が継続的に追跡していた選手と言える。
菅原と同学年の中村敬斗も、19歳でヨーロッパへ向かった。オランダ1部のトゥエンテからベルギー1部のシント・トロイデンなどを経て、22-23シーズンにオーストリア1部のリンツで14ゴールをマークした。今シーズンからフランス・リーグアンのランスへステップアップしたところで、森保監督は初招集へ踏み切っている。代表で戦える準備は整っている、との判断が下されたのだった。
10人近くの候補がひしめく激戦区ポジションも
今回のアジアカップには、23年のテストマッチにスタメン出場した3人のGK──シュミット・ダニエルと中村航輔、そして12月に右手の手術を受けた大迫敬介が招集されていない。東京五輪の守護神・谷晃生の名前もない。