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ソフトバンクからの戦力外通告に「大きなショックはなかった」…DeNA加入、森唯斗31歳が明かす「横浜を選んだ理由」「柳田悠岐からの“宣戦布告”」
posted2023/12/05 11:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Yu Saito
「行けと言われたところでチームのために死ぬ気で腕を振るだけ。先発をやりたい、中継ぎをやりたいというこだわりは、今はありません」
横浜DeNAベイスターズに移籍をした森唯斗は、冷静沈着な口調でそう言うと、次の瞬間、言葉の熱量を上げ続けた。
野球ができる喜びを、もう一度噛みしめたい
「ただ、野球ができる喜びを、もう一度噛みしめたいんです」
100セーブ&100ホールドなど鉄腕ぶりを発揮し、福岡ソフトバンクホークスを象徴する投手として過ごした10年間。2018年の最多セーブ投手のタイトルをはじめ、3年連続日本一の胴上げ投手となるなど、輝かしい実績を持っている森ではあるが、この3年ほどは故障や不調、先発への転向などもあり、思うような結果を出せずにいた。
そして10月22日、ソフトバンクから森と来季の契約を結ばないことが発表された。まだ31歳の看板投手のリリースに、多くの野球ファンは驚かされた。果たして本人は、球団から来季の構想から外れたことを伝えられた瞬間、どのように感じたのだろうか。
「驚きはしましたが、大きくショックを受けるようなことはありませんでした。プロ野球界は、いつ誰がどうなってもおかしくはない世界ですし、数年前から危機感を持ちながらプレーしてきましたからね」
小さく頷きながら森はそう言った。
僕にとってはいい10年間
「とにかく悔しいという気持ちが大きかったですね。この数年、チームに貢献できていない思いが自分の中ではあったので……」
無念さを漂わせ、森はそう語ると、ソフトバンクへの感謝を述べた。