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新人開幕スタメンも、いきなり2失策…DeNA林琢真が振り返る1年目「ミスであんなに盛り上がるなんて」「ここまでやれるとは想像していなかった」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/11/27 11:00
駒澤大学から2022年ドラフト3位でDeNAに入団した林琢真。1年目の今年を振り返った
「正直、ここまでやれるとは思っていなかったし……というか想像もできなかったんですよ。プロの基準がどの程度なのかもわからない中、改めて自分の成績を見ると、今はこれぐらいの実力だろうと納得する部分はあります。だからこそ、もっとやらなければいけないし、もっとやれるだろうって自分に対しての期待度は高いんです」
結果さえ伴えば“過程”は何でもいい
林は、明るい表情で言った。そしてこの世界で生きて行くための術を、垣間見たことを教えてくれた。
「とにかく結果の世界。誤解を恐れずに言えば、結果さえ伴えば“過程”は何でもいいんだって。例えば学生時代だったら、実力がすべてというよりも普段の“過程”も見られることによってベンチ入りやスタメン出場するじゃないですか。プロは数字。そこは自分の中で結構変わったところなんです」
シビアな世界。いくら実績がある選手でも結果が出なければ、いとも簡単にその座を失う。林はこの1年、その様子を目の当たりにしてきた。ただ、林は結果がすべてだと言いつつも、レギュラークラスの選手たちが絶え間ない努力や工夫という名の“過程”を経て、結果を出していることも知っている。だからこそ練習することを惜しまない。
質も大事ですけど、今はやり込むことに意味がある
「とにかく量の練習ですね。質も大事ですけど、今はやり込むことに意味があると思っています。量の先に質がある。完全に疲労して、出し切ってからが成長ですね」
頼もしい言葉だと思わずにいられなかった。来季も激しいポジション争いが展開されるが、林に「いけますか?」と尋ねると、間髪入れずに力強く答えた。
「勝ち抜きます!」
実りの大きかった1年。林の役割は、勝負を決めるというよりも、チャンスメイクや繋ぎの意識、または走塁などで攻撃に展開力を創造し、守備では堅実性をもってチームに安定感を生むことだ。非常に重要な役割となるが、若き“いぶし銀”のさらなる飛躍に期待せずにはいられない。