数字が示す通り、明らかな変化だったわけだが、誰かから指摘やアドバイスなどはあったのか。そう問うと林は、しばし考えてから口を開いた。

「いや、これに関しては誰かになにか言われたということではなくて、自問自答しながら変えていったという感じですね」

©JIJI PRESS

来季はショートでレギュラーを狙いたい

　プロとして引き出しを増やすために宮﨑ら先輩たちにアドバイスを求めることもあった林だが、自分の根幹となる部分においては、自ら考え、試しながら答えを導き出した。自分で気づき、切り拓く。これはプロとして非常に大事な資質だと言えるだろう。

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　ただ守備に関しては、サードとショートの経験値が少ないため、多くの指導を仰いだ。三遊間はセカンドとは逆の動作になるため、足の使い方から見直した。

「田中浩康（内野守備兼三塁ベース）コーチに付きっきりで、教えてもらいました。ファーストまで遠いですし、足を使わなければ投げられないので、ベースから作っていった感じですね」

　田中コーチから特に言われたことは何だろうか。

「とにかくプレーを完結させること。プレーを最後まで終わらせる、ということですね」

　予測、一歩目、捕球、スローイング。すべてを連動させ、プレーを収める。円環をなす動きを求められたが、自己評価として林はどのように感じているのか。

「いやもう、とにかく必死なだけでしたよ」

　そう言うと林は苦笑した。だが次の瞬間、林は決意するように断言するのだ。

「やれるという自信は付きましたし、まだまだ高めなければいけない部分は多いのですが、来季はショートでレギュラーを狙いたいと思います」

　持ち前の粘りの打撃と、発展途上中の守備で、来シーズンは今年以上にチームの戦力になることを林は誓った。

今はこれぐらいの実力だろうと納得する部分はある

　改めて林は、未知の領域だったプロ1年目を振り返る。

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