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新人開幕スタメンも、いきなり2失策…DeNA林琢真が振り返る1年目「ミスであんなに盛り上がるなんて」「ここまでやれるとは想像していなかった」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/11/27 11:00
駒澤大学から2022年ドラフト3位でDeNAに入団した林琢真。1年目の今年を振り返った
「開幕当初は自分を信じ切れなかったというか、1打席ダメだったら次はこれって感じで、細かい部分を変えていたんです。つづけてみないとわからないこともあるというのに」
林が目指していた相手投手が嫌がるような打席を作ることがあまりできなかった。
「内容が薄いというのか、なにをすべきなのか、なにを狙って打席に入るのか、という感じではありませんでしたね」
あのとき登録抹消されてよかった
結果を求めるがゆえの焦りと堂々巡り。そんな林のターニングポイントになったのが、6月14日に登録抹消をされファームに行ったことだ。打撃練習中に自打球で痛めた右足母趾骨折によるもので、開幕から身を置いてきた一軍から離れることになり、林は焦燥感に駆られたという。
「最初はその思いが強かったんですけど、今考えればあのとき登録抹消されてよかったなって思うんです。ファームでの経験が、後に生きることになったので」
林はリハビリとトレーニングをつづけながら、ごちゃごちゃになっていた頭の中を整理した。自分はなにを求められ、なにをすべきなのか真摯に向き合った。
「とにかく些細なことでやり方を変えたりせず、バッティングを固めようとしたんです。自分はどんなバッターなのか。まずはバットを短く持つようにしました。そして追い込まれても自分のカタチを崩さない。打席に入る前はしっかりプランニングして、狙い球を絞るようにしました。ファームでは何度も試しては、これじゃないというのを繰り返しながら、作り上げていったんです」
自問自答しながら変えていった
ファームで当たりを取り戻した林は8月8日に再び一軍登録された。復帰以降、シーズン終了まで一軍でプレーをし(途中、特例抹消あり)、打率.253、出塁率.272という数字を残しチームに貢献をした。ゾーン外のボールには手を出さず、狙い球をしっかりとイメージし、追い込まれても持ち味である粘りで相手投手に嫌な印象を与えた。