「ノックを受けるのも難しく…」守備の名手・藤田一也は二遊間にこだわり、引退を決めた　本人が明かす「23回の胴上げは僕から」「去年のCSは…」

　9月27日の引退セレモニーから数日後、横浜DeNAベイスターズの藤田一也は、当日を振り返り、安堵したような表情で言った。

「最高に幸せな時間でしたよ」

誰がハマスタに来ているのかは、わかっていました

　19年間の現役生活を今季かぎりで終える。シーズン終了に先だって行われたセレモニーは、感傷的ではあったが、心温まる時間が流れていた。セレモニー中、「藤田、ありがと～！」というファンの声が、いつまでも飛び交い絶えることはなかった。「あの日、あの瞬間、世界で一番感謝を伝えられた人間だったんじゃないですか？」と問うと、藤田はうれしそうな表情を見せた。

「きっとそうだと思います。本当にありがたいことですよね」

　そう言った次の瞬間、藤田は少しだけ苦笑した。

「いや、でもまあドキドキでしたよ。それにめちゃくちゃ大変やったんです。引退会見をして、セレモニーの日が決まると、これまでお世話になった全国各地の知人から観に行きたいと言っていただいて、その連絡やチケットの準備など球団マネージャーに手伝ってもらいながら自分でやったんですよ。取りこぼしは絶対にできませんから神経を使いました。けどまあ最初で最後のことですからね」

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　全国から100人以上の知人、友人たちから連絡があったという。

「だからあの日、誰がハマスタに来ているのかは、わかっていました」

一也、どこ守りたい？

　だからこそ、9回裏に訪れた打席では、感情を抑えることができなかった。

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