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DeNAドラフト、度会隆輝サプライズ1位指名の真相…スカウトが明かす“指名に込めた思い”「直前の控室で最終決定」「ロッテは想定内でした」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/10/31 11:05
ドラフト会議、投手の1位指名が予想されていたベイスターズだったが、中日が指名を公言していた注目の社会人野手・度会を“強行”指名で引き当てた
「福岡大学時代からチェックをしていたんですが、当時は指名漏れをして、それをバネに徳島で力をつけてくれました。バットもよく振れているし、とても力強い。彼の場合は、サードをやれるというのが指名の大きな要因になっています」
今回は早期に戦力として見込める大卒選手にシフト
以上が本指名の6名である。野手4名、投手2名。大卒3名、社会人1名、高卒1名、独立1名。球団としては狙い通りの指名といった感じだろうか。
「そうですね。我々としては非常に満足しています。度会選手と武田選手という天才肌の打者に加え、内野手の石上選手と井上選手。そして中継ぎでは松本選手、先発では石田選手といった即戦力投手が獲れました。高校生が1名と少ないですが、ここ近年、高卒選手を上位で指名してきたので、今回は早期に戦力として見込める大卒・社会人選手にシフトした感じですね」
育成1~3位の高校生にかける期待
そしてスカウトとして、さらなる腕の見せどころとなる将来性を考慮した育成ドラフトだが、今回は5人の選手を指名した。
育成1巡目指名は、内野手の高見澤郁魅(敦賀気比高)。
「高校2年生のときから甲子園でプレーする姿を見ていて、いいサードだと評価していました。ホームラン打者というよりも、バットコントロールがよく、鋭い打球を弾き返すタイプですね」
育成2巡目指名は、投手の清水麻成(樹徳高)。
「ポテンシャルの高さを評価しました。身長186cmから繰り出されるカーブや落ちるボールは非常に魅力的で、将来的に期待の持てるピッチャーだと思います。ただ、まだ体の線が細いので、まずは体を大きくしてもらいたいですね」
育成3巡目指名は、内野手の小笠原蒼(京都翔英高)。
「高見澤選手がアベレージタイプならば、彼は長打力を期待しての指名になります。逆方向も含め遠くに飛ばす力には非凡なものがあり、順調に育ってくれればかなり楽しみな存在になると思います」
育成4巡目・庄司は「チェンジアップの抜けが半端じゃない」
育成4巡目指名は、投手の庄司陽斗(青森大学)。
「非常に興味深い左腕で、身長185cmから投げ下ろす角度のあるストレートも魅力なのですが、とにかくチェンジアップの抜けが半端じゃないんです。うちのチームの濵口遥大を彷彿とさせるボールというか、彼の場合は高卒の育成選手とは異なり、すぐにチャンスを掴んで支配下になれる可能性がありますし、そうなれることを願っています」
育成5巡目・近藤は「肩の強さに惚れ込み、指名しました」
育成5巡目指名は、捕手の近藤大雅(専大北上高)。
「肩の強さに惚れ込み、指名しました。粗削りな部分も多く、これからといった選手ですが、一芸に秀でたところはありますし、先輩キャッチャーたちから多くを学んで、成長してもらいたいと思います」