「私はプロスカウトのグループリーダーも兼務していて、ファームの試合をよく見るのですが、首脳陣と話しても一軍で通用する選手はまだ少ないと。また来年のドラフトを考えても即戦力投手はそれなりにいますが、野手は少ない傾向なので、ここはやはり打撃センスがあり即戦力になりえる度会選手が欲しかったというのはあります」

度会の獲得競争に参戦したDeNA　©Hideki Sugiyama

　ゆえに、先に中日が度会を1位指名すると公言していても大きな問題はなかった。ロッテも手を挙げたが、河原氏は「予想内でした。ロッテさんも野手を欲しがっている様子だったので」と、3球団競合は覚悟の上だったという。そして賽は振られ、DeNAは度会の交渉権を獲得した。旧ホエールズ時代も含め3球団以上による抽選での交渉権獲得は、1984年の竹田光訓（明治大）以来となる。

将来的にはリードオフマンや3番を任せても

　改めて河原氏は、度会を次のように評する。

「バットコントロールが良く、どのボール、どのコースであっても対応することのできる選手で、長打力もありつつも首位打者を狙えるタイプだと思います。あくまでも現場が判断することですが、フルスイングできることに加え、足もスペシャルでないにせよ走力はあるので、将来的にはリードオフマンや3番を任せても面白いかもしれませんね」

　社会人野球で各種タイトルを獲得した度会が真価を発揮すれば、チームの課題である得点力アップに貢献できることは間違いない。

見事引き当てた三浦監督　©Hideki Sugiyama

練習試合でDeNAが行った“リクエスト”

　守備に関して現在は外野手だが、球団としてはどんな未来図を描いているのか。

「最初は外野としてレギュラー争いをしてもらい、いずれは内野という考えはあります。サードの宮﨑敏郎が今季は休養をとりながらの起用でしたし、キャンプで守備練習をして、現場が行けると判断すればバックアップに入る可能性もあるかもしれません」

　そういえばクライマックスシリーズ前のENEOSとの練習試合の際、度会はシートノックや実戦でサードの守備に入っていたが、それはDeNAからのリクエストがあったからだと聞いている。

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