「はい。ENEOSの大久保秀昭監督に要望は出させてもらいました。ただ、他球団からも度会選手の内野での動きが見たいというリクエストはあったと思います。肩も強いですし、元々横浜高校時代はセカンドをやっていたので、我々としては対応できるのではないかと思っています」

かなりの人気者になれる

　走攻守揃った選手だが、これに加え評価しているのが、野球に向かう真摯な姿勢と天賦の明るさだ。

「非常にキラキラとした存在だと思います。野球が大好きだという気持ちが滲み出ていて、情緒も豊か。悔しいときは悔しがって、喜ぶときは喜ぶ。人に不快感を与えるタイプではなく、スポーツマンらしく素晴らしい性格です。活躍することができれば、かなりの人気者になれると思います」

2020年ドラフトでの指名漏れからドラフト1位指名を受け、喜びの涙を浮かべる度会　©JIJI PRESS

　ハマスタのカクテル光線を浴びプレーで躍動し、牧や大田泰示と一緒になってベンチを盛り上げている度会の姿が、今から目に浮かぶようだ。

2巡目・松本はリリーフ陣の一員として期待

　そして2巡目で指名されたのが松本凌人（名城大）だ。最速153キロの剛腕サイドハンド。変化球のキレもよく、リズミカルでパワフルな投手である。

「バッターが嫌がる動くボールを投げるので、阪神の青柳晃洋投手のようなイメージを持っています。先発もできますが、短いイニングのほうが力を発揮できるタイプ。それと打者に向かっていく気持ちの強さも魅力ですね。ですから、今季苦しんだリリーフ陣の一員として伊勢大夢や入江大生と競争してもらい、勝ちパターンで投げられるように頑張ってもらいたい」

3巡目の二刀流・武田は打者として高く評価

　3巡目指名は“二刀流”として話題になった武田陸玖（山形中央高）。高校通算31発のパンチ力。萩原本部長は、投手ではなく外野手として評価していると明言している。

「度会選手同様、バッティングに関しては天才的なセンスの持ち主。彼もまた打率も残せてHRも打てるタイプで、ソフトバンクの近藤健介選手やレッドソックスの吉田正尚選手をイメージさせます。将来、度会選手と一緒に中心選手になってくれるのではないかと期待しています」

4巡目・石上には「内野の層を厚くしてもらいたい」

　4巡目指名は、堅実な守備を誇る石上泰輝（東洋大）。広角に打てるバッティングが魅力なことに加え、DeNAにとって長年のテーマである“遊撃手”に一石を投じる存在だ。

「守備力はもちろん、足は速いですし、肩も強い。体に力があって、イメージで言うと広島の田中広輔選手タイプ。走攻守揃ったいい選手になってくれると思っていますし、林や森敬斗らと競争して内野の層を厚くしてもらいたいですね」

5巡目・石田には「ローテーションの一角に食い込んでほしい」

　5巡目指名は、地元横浜市出身の石田裕太郎（中央大）。制球力があり、真っすぐを軸とし、緩急のある変化球でゴロを打たせる先発タイプだ。

中央大の石田　©JIJI PRESS

「担当をしていた大学1年のときから見ているのですが、当時から巧みなピッチングをしていました。その後、一時調子を落としたのですが、腕のアングルを下げスリークォーターになってから両サイドを幅広く使えるようになりました。ストライク先行で投げられますし、タイミングを外すのも上手いので、ぜひローテーションの一角に食い込んでもらいたい」

6巡目・井上は「指名漏れをバネにして力をつけてくれた」

　6巡目は四国アイランドリーグで2年連続二冠王の井上絢登（四国IL・徳島）。パワーとバットコントロールに長けた選手であり、以前は外野手だったが、近年サードの守備にも挑戦している。

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