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放送大学関西“箱根駅伝予選会挑戦ウラ話”《参加選手最年長34歳》都大路も走った元強豪校ランナーの胸の内…「かつての後悔を取り戻すために」 

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/10/20 17:16

放送大学関西“箱根駅伝予選会挑戦ウラ話”《参加選手最年長34歳》都大路も走った元強豪校ランナーの胸の内…「かつての後悔を取り戻すために」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

平均年齢28.8歳の「おっさん大学生ランナー」たちが集った放送大学関西チーム。その中には、かつて名門校で活躍した選手も…?

 結果が発表される前に気づいたことがあった。予選会を通過できない――。1921年創部の伝統校にとって16年ぶりの屈辱だった。外村は夢だった箱根路を一度も走れずに終わった。悔しさと、無力感しか残らなかった。

「1年生の時、同じこの舞台での立川ハーフマラソンですぐ自己ベストを出したんです。1時間6分くらいでした。“箱根駅伝、出られるな”と思ったのですが、甘くなかったですね。そこから3年間、ベストが出ませんでした。練習は良くても本番で結果を残せない選手だったんです」

 陸上推薦で入学し、将来を期待された選手だった。

 高校時代は大阪・清風高で冬の全国高校駅伝に2度出場した。2年で7区アンカーを務め、3年の時は6区で6位の好走。故障が少ない体の強さが売りで、大学でも4年間、誰よりも練習を積んだ自負もあった。だがオーバーワークに陥り、悪循環から抜け出せなかった。

 失意のまま卒業し、サラリーマンを経て、大学職員に転職した。結婚して、娘もできた。それでも、歩みを止めなかった。

外村の心に残っていた大学時代の「後悔」

「競技はずっとブランクなく、走り続けてきたんです」

 仕事後、子供の世話をしてから夜、走る日々だった。やがて、マラソン大会を中心にレースに出場し、フルマラソンの自己ベストを2時間28分5秒まで縮めた。だが、どれだけ走っても、心の底にある澱は消えなかった。

 転機は昨年6月である。関東学連が箱根駅伝の全国化を発表した。関東以外の大学でも、予選会を通過すれば本選に出場できる。

「これはいくしかない、と。それが入学させていただいた経緯です」

 放送大学に入学し、授業を受けながら関西の陸上競技部に所属。志をともにする仲間とともにチャレンジを決めた。

【次ページ】 普段は「鉄道会社の車掌」…篠原亮太の挑戦

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