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放送大学関西“箱根駅伝予選会挑戦ウラ話”《参加選手最年長34歳》都大路も走った元強豪校ランナーの胸の内…「かつての後悔を取り戻すために」

posted2023/10/20 17:16

 
放送大学関西“箱根駅伝予選会挑戦ウラ話”《参加選手最年長34歳》都大路も走った元強豪校ランナーの胸の内…「かつての後悔を取り戻すために」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

平均年齢28.8歳の「おっさん大学生ランナー」たちが集った放送大学関西チーム。その中には、かつて名門校で活躍した選手も…?

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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Yuki Suenaga

 10月14日、立川の国立昭和記念公園で行われた箱根駅伝予選会。今年は100回目の記念大会ということもあり、全国の大学に門戸が開放され史上最多の57校が年始の箱根路を目指してその健脚を競った。

 そんなお正月の晴れ舞台を目指す若者の中に、ひと際異彩を放つチームがひとつ――。それが「平均年齢28.8歳」放送大学関西チームだ。なぜ彼らは、遠く関西からこの予選会に挑んだのだろうか? そのメンバーたちには“普通の大学生”とはすこし異なる紆余曲折があった。(全2回の後編/前編から読む)

 箱根駅伝で人生が変わった――。

 放送大学関西の外村翼が感じていることである。10月14日、久しぶりに東京・立川の国営昭和記念公園を訪れて、つくづくその思いを強くした。この日は箱根駅伝予選会に今大会最年長の34歳で出場した。

「箱根」を懸けたレースは、こんなにも素晴らしい景色だったのか。いつものように走っているのに、こみ上げてくる思いを抑えるのに必死だった。

 両腕を振っても、苦しいものは苦しい。21.0975kmを駆けた1時間13分13秒は、それまでの道のりを思えばこそ、あっけないほど短かった。

「キツすぎて、はよ終わりたい気持ちと、終わりたくない気持ちがずっと交錯していたんです。一生に一回。最初で最後。僕の人生の一番の思い出になったことは間違いありません。今回は走る側の景色を見ることができて、本当に鳥肌が止まりませんでした」

強豪・日大陸上部所属のランナーだった外村

 外村にとって、立川はかつて挫折を味わった場所だった。

 12年前、強豪・日本大の陸上部員として、箱根駅伝予選会に臨んでいた。4年生だったがメンバーから漏れ、出場した仲間や他校のタイムを計測した。

【次ページ】 外村の心に残っていた大学時代の「後悔」

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