酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
《マツコの知らない世界で話題》なぜ西武本拠地は“クラフトビールとスタグル改革”したか…「食でも楽しめるスタジアムを目指したい」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byTadashi Hosoda
posted2023/08/07 17:03
マツコの知らない世界で取り上げられ、話題沸騰のベルーナドームの飲食。そのエッセンスを荒木浩基営業部長に聞いた
球場のビールと言えば「売り子さんから買う」と相場が決まっていた。売り子によるビールの販売もこのところ復調気味ではあるが、荒木部長たちのボールパーク構想によって、売店での売り上げも大きく広がった、ということになるだろう。
筆者は「野球場でのビール」は「人生で2番目くらいに大事なもの」だと思っている。
読者各位にはまことに申し訳ないが、ここまで取材をして実際に試飲をしなくて記事が書けるか、ということで、ブリュードッグのPUNK IPAをなみなみと注いでいただき、一気に流し込んだ。
華やかな香りはクラフトビールならでは、そして球場ビールより心持ちずっしりした味わいが、口からのどへと通っていった。目の前の球場では、試合前の選手たちが体を動かしている。これはなかなかに贅沢なことだ。
グルメから観客動員、も夢ではないのでは
荒木部長はこのようにも語っていた。
〈ベルーナドームは、何と言ってもグルメが充実しているので、『料理を買うのと一緒にビールを買う』というお客様が増えているんですね。今回導入したブリュードッグには、特定のファンの方もいらっしゃるんですが、ブリュードッグが球場で生ビールで飲めるのは、すごい画期的なことだったようです。ブリュードッグは、最近はコンビニでも販売されるようになりましたが、当然、缶ですから。
ブリュードッグが生で飲みたいからベルーナドームへと来て、それと同時に野球を見ているうちにファンになっていく、といった人も出てくるかもしれません。グルメから「観客動員」につながるなんてことも、夢ではないかもしれませんね〉
そんな新たな試みとともに、野球場とビールと言えば「売り子さん」の存在も欠かせない。自身も西武ファンで、長年にわたってベルーナドームで奮闘する女性の「プロフェッショナルな姿勢」にも耳を傾けよう。
<#2「ビールの売り子さんインタビュー」編につづく>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。