酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
西武ライオンズ大ファンな“ビールの売り子さん”「試合、気になりません?」素朴な疑問に答えてくれた「自分の杯数を超えるのが目標です」
posted2023/08/07 17:05
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Tadashi Hosoda
ベルーナドームの「ビールの売り子」として奮闘し続ける菜々さん。7年間にわたってホームゲームで埼玉西武ライオンズとともに戦っているが、自身も西武ファンである。シーズン中は毎日ベルーナドームにいるが、西武ファンとして試合は気にならないのだろうか?
〈気になりますね。背中を向けてビールを売っているときは試合を見れないけど、階段を下がっているときは試合を見ています。お客様とは『今日はあの選手調子悪いね、調子いいね』と話をします。
西武が好きになったのはいつからか、ですか? 中学の頃です。テレビでは巨人戦ばかりでしたが、テレビ埼玉で西武戦をやっていて、それが面白くて。最初に好きになったのは西口文也投手。登板した時はめっちゃ見ていました。それから中島裕之選手、片岡易之選手、栗山巧選手。今まで一番好きになったのは浅村栄斗選手。タオルとかユニフォームとか持っていたのに、全部使えなくなりました(笑)。今は、源田壮亮選手、若林楽人選手推しですね。
家族も野球が好きで、ドームに観戦に来ることもあります。父が西武ファンで、ビールをちょっとだけ買ってくれます〉
私、アルコールはほとんど飲まないんですが
休みの日は西武のビジターの試合を見に行ったりするというのだから――筋金入りのファンでもあるのだ。
〈私は、アルコールをほとんど飲まないんですが、知り合いの売り子がいたら一杯だけビールを買って、ちょっとだけ口をつけます〉
気になるのは――西武が勝っているときと負けているときで、売り上げは違うのだろうか?
〈勝っているときの方が売り上げは多いですが、大差負けしているときとかは、ビールを飲むことが楽しみになって……やけ酒って言うんですかね、たくさん売れるときがあります。今年はちょっとそれが多かったですね (苦笑)。もう飲むしかないと言うか〉
売り上げのピークってどれくらいなの?
この話、監督が聞いたら結構こたえるのではないか……と思いつつ、菜々さんは売り上げのピークや、売り子にまつわる様々なことも教えてくれた。