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大谷翔平が辞退、イチローも固辞…HRダービーは、なぜ一流選手に敬遠されるのか?「テレビ局の都合で何度もルール変更」「スイング乱し0本の選手も」
posted2023/07/09 11:02
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Nanae Suzuki
3年連続で投打の「二刀流」でオールスターに選出されたエンゼルス大谷翔平が、今年はホームランダービー(以下、HRダービー)と投手での出場を断念し、「DH」としてプレーする意向を明かした。
事前に確認されていたHRダービーの辞退
7月4日のパドレス戦に先発した際、右手中指のマメと爪の状態が悪化したためで、後半戦へ備え、体のケアを優先することになった。その一方で、HRダービーに関しては、これまでにフィル・ネビン監督が、大谷自身は予め辞退する見込みであったことを明かすなど、体調への負担軽減を重要視する方針は、事前に確認されていた。
メジャーリーガーならではの豪快なアーチが飛び交い、ファンにとっては、夢を抱き、華やかなイメージがあるHRダービーが、なぜ、出場選手の確定までに一定の時間を要するのか。
裏を返せば、それほどHRダービーは、周囲が想像する以上に、選手への負担が大きく、敬遠する選手が多いという背景も否定できない。
シンプルだった実施形式が複雑化
1985年、オールスター前日の「前座」としてスタートしたHRダービーは、年月の経過と共に、実施形式を変えてきた。かつては、「10アウト」での総本塁打数とシンプルだった。
その後、入場チケットの高騰、ライブ中継するテレビ局のビジネス戦略などもあり、真夏の「ベースボール・ショー」として大きなイベントとなった。高額のスポンサー料を集め、ゴールデンタイムの放送時間を確保するテレビ局からすれば、いかに視聴率を上げ、視聴者の「滞在時間」を維持するかは死活問題でもある。その結果、フォーマットを毎年のように変更し、多様なオプションも編み出した。