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[日本人打者が語る(1)]青木宣親「アリエッタの球は逃げたら打てない」
posted2023/07/09 09:04
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Wataru Sato
メジャーの地であらゆる英俊豪傑と対戦してきた打者たちから見た、最強のサイ・ヤング賞投手とは――。現役最年長野手が、3人の剛腕から受けた“衝撃”を語った。
青木宣親は2012年から'17年まで、ミルウォーキー・ブルワーズを皮切りに6シーズン、メジャーリーグで活躍。メジャー通算では2割8分5厘の打率を残した。
その間、サイ・ヤング賞受賞経験のある投手との対戦は18人にも及ぶ。「リストを見て驚きましたよ。こんなに対戦してたのかって」と青木は振り返るが、対戦した投手で、印象に残っている相手がパッと3人浮かぶという。
「サウスポーのクリフ・リー。右投手ではジェイク・アリエッタとマックス・シャーザー。いまでも球の軌道が甦ってくる」
そこで早速、リーから話を聞いていくことにする。リーは'08年、インディアンス時代に22勝3敗という成績でサイ・ヤング賞を受賞した。青木は、フィリーズ時代のリーと対戦し、14打数4安打とそれなりの結果を残しているが、対戦した後はいつも「やられたな」と感じていたという。
「クリフ・リーは普通の投手にはない“角度”を持ってたね。まず、踏み出す右脚が一塁側にインステップしてくるから、それだけでもボールの出所が見にくい。左打席に立つ僕からすると、背中の方からボールが来る感じ。しかも、腕が真上から出てくる。あれはちょっと見たことのない角度だった。しかもそこから曲がるし、落ちるし、当然のことながら真っ直ぐもいい」