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渋野日向子、笹生優花、古江彩佳ら“ゴルフ界史上最多の22名”が挑戦…全米女子オープン「なぜ日本人が多い?」5つの理由〈米記者の優勝予想も〉
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2023/07/05 11:03
男女通して海外メジャー1大会の最多記録を更新する「22名」がエントリーした今年の全米女子オープン。日本勢の優勝争いに期待したい
誰もが憧れる歴史ある大会であること。世界と渡り合いながら自ら出場権を得る日本人選手の出現したこと。そして、国内で活躍する選手たちの意欲を掻き立てる機会を創出できていること。こういった要因が「22名」という数字につながったように感じるが、あと、今回もうひとつ大きな“魅力”を挙げるとすれば、それは開催コースだ。
2013年から米女子ツアーを拠点にプレーする39歳の上原彩子の心を躍らせるのが「名門コースでプレー出来ること」だという。
「前回、私が参加した(2021年度の)オリンピッククラブも名門コースでした。(全米女子オープンは)レギュラーツアーではなかなかプレーする機会がないコースで試合が行われるのも魅力のひとつだと思います」
今大会の会場は百戦錬磨の上原も「テレビでしか見たことがない」というペブルビーチ・ゴルフリンクス。ゴルフ人であれば『生涯で一度はプレーしてみたい』と憧れる名門パブリックコースである。
カリフォルニア州モントレー半島に位置する海岸沿いに作られた18ホールは、強烈な海風が吹くか、それとも穏やかな日中を過ごせるのか、天候次第で「顔」を変えるコースとしても知られている。これまで男子の全米オープンが6回実施された実績もあるが、全米女子オープンは初開催だ。
米識者が予想する優勝候補は?
前述のニコルス氏は、ペブルビーチに挑むにあたって“ペース配分”を疎かにしてはいけないと語る。
「(日本からの初出場する選手など)特に初めてプレーする選手は、いろいろなシチュエーションを想定し、練習日から頭をフルに使って、入念に下調べすることになると思います。練習のしすぎで本番前に体力と精神が削られることがないように、自分のペースで調整することが大事です」
そんな同氏に大会の展望を問うと、コ・ジンヨン(韓国)、ネリー・コルダ(米国)、リディア・コ(ニュージーランド)の世界ランク上位3名を優勝候補に挙げた。
「最高の舞台で、最高のゴルフを見せてほしい。特にショットメーカーのネリーとリディアに向いているコースかなと。コースを攻略するには正確なセカンドショットが欠かせないので」
難易度の高いコースだけに実力者が有利と見ているようだ。ただ、現時点での最強日本人女子ゴルファーが今年は22名も出場する。「正確なセカンドショット」がカギとなるならば、古江や渋野ら日本勢の得意ジャンルでもある。彼女らが優勝争いに加わる、いや、上位を席巻するなんていう夢のような週末が訪れるかもしれない。
初めてペブルビーチで開催される全米女子オープン。いい意味で識者の予想を裏切るような展開を期待したい。
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