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最年少は15歳…女子体操の日本代表と“年齢”の関係「平岩優奈、杉原愛子は“高校1年生”で選出」「田中理恵の代表入りは海外で話題に」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/05/29 17:01
NHK杯での岸里奈15歳の演技。世界選手権の日本代表にも選出された
4人は“高校時代”から世界選手権の代表だった
村上は中学時代から活躍を見せ、3年時に大怪我を負ったが復帰、高校2年生で世界選手権代表に初選出。平岩は15歳だった高校1年生で初めて世界選手権代表に選ばれている。
杉原は高校1年生のとき、NHK杯で初優勝して脚光を浴び、世界選手権代表に。同じ年のアジア選手権にも出場して個人総合で優勝を飾っている。畠田は高校3年生で初めて世界選手権に出場した。
また、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと五輪に出場し、2021年東京五輪でも補欠となるなど長く日本を牽引した寺本明日香も、高校1年生で世界選手権に初めて出場。大会ではロンドン五輪団体出場権獲得に大きな役割を果たしたことも記憶される。
学年の違いはあっても、どの選手も高校時代には世界選手権代表となっていることが分かる。つまり高校生のときには国内で上位を争う位置にいる選手であった。彼女たちは中学生の頃にはその下地となる実力や活躍を見せており、体操女子が若い世代中心であることも、実感させられる。
田中理恵が示した“体操競技の可能性”
そういう意味で異色であるのが田中理恵だ。
田中が初めて世界選手権代表に選ばれたのは23歳のこと。このとき大学を卒業し大学院に籍を置いていたが、大学卒業を機に、一度は体操をやめようかとも考える中で競技を続行。そしてつかむことができた代表切符だった。体操関係者の間でも「異例のこと」という言葉が出る、23歳での初めての代表選出であった。
女子体操界において、若年齢の選手が中心であるのは日本に限った話ではなく、世界を見渡してもそうだから、田中の23歳での世界選手権初出場は海外でも話題となった。