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箱根優勝&監督勇退の駒澤大は今、どうなっている?→スローガンに「3冠」の文字なし…藤田敦史新監督が明かす、その理由
posted2023/05/18 11:12
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Sankei Shimbun
5月11日~14日に行われた関東インカレ。長距離部門で、駒澤大が圧倒的な強さを見せつけた。
大会初日の10000m2部2組で唐澤拓海(4年)が28分26秒83で日本人トップ、総合4位に入り、箱根6区区間賞を獲った伊藤蒼唯(2年)も8位入賞を果たした。ハーフマラソンでは、赤星雄斗(4年)が優勝し、山川拓馬(2年)が2位とワンツーフィニッシュを決めた。5000mは、安原太陽(4年)の7位入賞だけに終わったが、鈴木芽吹(4年)、篠原倖太朗(3年)、佐藤圭汰(2年)らエース級の選手が出場せずとも、この結果に「駒澤強し」を他校に強烈に印象付けた。
このくらいは走るよな
2015年からコーチとなり、今季から指揮を執る藤田敦史監督は、この結果に驚きを見せない。
「練習を見ていても、みんな調子がいいので、このくらいは走るよなという感じでした」
結果が出ているのは関東インカレだけではない。それぞれ4月下旬に行われた学生個人選手権5000mで安原が優勝し、織田記念陸上の5000mでは佐藤が13分27秒04で優勝している。
チームが好調の要因を藤田監督は、「意識の高さ」と語る。
「昨年3冠を達成したことで、このくらいやらないと勝てないという指標を得られたんですが、それをみんな持っているんです。だから、みんな一生懸命にやる。そこが大きいですね」
昨年の3冠は駒澤大にとって、大きな分岐点になった。3冠という事実が大きな財産となり、その副産物のひとつが「高い意識」だった。このくらいやらないと勝てない、強くならない。その基準、指標が生まれ、新チームの選手たちは今年もそこに妥協せず、喰らいついていこうとしている。
エースの田澤廉(トヨタ)、山野力(九電工)が卒業した後、3冠達成の同水準のチームを作るのは容易ではないが、藤田監督は今後のチーム作りについて明確なヴィジョンを持っている。
「意識が高い、一丸となって戦えるチームを作っていきたい。そのためには、目標設定と指導者からの声掛けが大事だと思っています」
目標設定と声掛けを重視する理由とは?
大事だという目標設定とは、どういうものなのだろうか。