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中村剛也39歳「史上初2000三振」は勲章だ!「統一球で48本塁打+21世紀最多461発」…最強スラッガーのアッパレな成績 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/05/02 11:04

中村剛也39歳「史上初2000三振」は勲章だ!「統一球で48本塁打+21世紀最多461発」…最強スラッガーのアッパレな成績<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

2016年の中村剛也。通算2000三振は20年近くの間、パを代表するスラッガーとして活躍した勲章と言える

 B.ルース 1330三振/2503試合/714本塁打

 日米ともに昔は今よりも三振数が少なかったのだ。投打の力関係が違っていたということもできよう。

統一球時代の48本塁打、21世紀最多の461発が偉大すぎ

 中村剛也のキャリアで最も称賛に値するのは、2011年の本塁打王だろう。

 この年、NPBは反発係数の低い「統一球」を導入、両リーグの本塁打総数は2010年の1605本から939本に激減した。そんな中で中村はリーグ本塁打数454本の1割以上に当たる48本塁打を記録して本塁打王に。これはロッテのチーム本塁打46本を上回っていた。ボールが飛ぶの、飛ばないのはおかまいなしに、中村は平然と打球を外野フェンスの向こうに運んでいたのだ。MVPに選ばれてもおかしくない成績だったと思う。

〈21世紀以降の本塁打数10傑〉
 中村剛也461本塁打/1316打点/1974試合
 阿部慎之助406本塁打/1285打点/2282試合
 A.ラミレス380本塁打/1272打点/1744試合
 村田修一360本塁打/1123打点/1953試合
 A.カブレラ357本塁打/949打点/1239試合
 T.ローズ328本塁打/810打点/1009試合
 小笠原道大321本塁打/968打点/1607試合
 和田一浩315本塁打/1044打点/1840試合
 W.バレンティン301本塁打/794打点/1104試合
 松田宣浩301本塁打/991打点/1918試合

 中村剛也は本塁打、打点の2部門でトップ。まさに「21世紀の最強打者」と言ってよい。今春は僚友の山川穂高が戦線離脱する中で、4番に座って絶好調だ。すでにレジェンドと言ってよい中村剛也の今シーズンが楽しみで仕方がない。

中村はこの1週間で4本塁打7打点の大暴れ!

【2023年4月24日~30日 週間成績】
〈パ・リーグ〉
 オリックス5試3勝2敗0分 率.600
 ソフトバンク5試3勝2敗0分 率.600
 日本ハム5試3勝2敗0分 率.600
 ロッテ5試2勝3敗0分 率.400
 楽 天5試2勝3敗0分 率.400
 西 武5試2勝3敗0分 率.400

 今週は全チームが5試合戦ったが3勝2敗か2勝3敗。勝ったり負けたりの1週間だった。

〈打撃成績5傑〉(打撃の総合指標であるRC=Run Create順)
 中村剛也(西)18打8安4本7点 率.444 RC8.64
 森友哉(オ)15打7安3本6点1盗 率.467 RC7.44
 柳田悠岐(SB)20打10安1本6点 率.500 RC5.76
 中川圭太(オ)20打8安1本3点1盗 率.400 RC5.33
 松本剛(日)19打9安0本6点 率.474 RC4.66

 中村剛也がすさまじい打棒を見せている。4本塁打7打点はリーグトップ。昨年まで中村のチームメイトのオリックス森は4月28日のロッテ戦で佐々木朗希の165km/hの剛速球を太ももに受けたが試合に復帰している。ソフトバンク柳田は今週5割で、首位打者に躍り出た。盗塁は西武・外崎修汰の4が最多だった。

〈投手成績5傑〉(リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順)
 森唯斗(SB)1登1勝6回 責0率0.00 PR2.27
 今井達也(西)1登1勝6回 責0率0.00 PR2.27
 鈴木健矢(日)1登1勝5回 責0率0.00 PR1.90
 松本航(西)1登1勝7回 責1率1.29 PR1.65
 小島和哉(ロ)1登1勝7回 責1率1.29 PR1.65

 今季から先発に本格転向したソフトバンクの森は故障で出遅れたが、4月27日の楽天戦で6回零封。先発初勝利を挙げた。西武の今井は28日の楽天戦で6回無安打無失点。救援ではソフトバンクのオスナが3セーブ、日本ハムの宮西尚生、オリックスの山﨑颯一郎が3ホールドをマークした。

【次ページ】 セでは佐藤輝明がいよいよ覚醒か

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