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「藤井聡太先生と戦うなら…2日制と早指し戦どっちがいい?」中村太地八段のリアルな答え「その境地を体験したいんです」

posted2023/04/27 11:03

 
「藤井聡太先生と戦うなら…2日制と早指し戦どっちがいい?」中村太地八段のリアルな答え「その境地を体験したいんです」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

第72期王将戦での藤井聡太王将と羽生善治九段、立会人の谷川浩司十七世名人。時代を彩った将棋の天才は“超過密日程”でも勝利を積み重ねてきた

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中村太地

中村太地Taichi Nakamura

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 渡辺明名人(39)に藤井聡太竜王(20=王位・棋王・叡王・王将・棋聖と六冠)が挑む第81期名人戦。その戦いぶりや将棋界における「名人位」が持つ重みについてA級棋士・中村太地八段に聞いた。(全3回の2回目/#1#3へ)

 藤井竜王は2023年に入ってから――羽生善治九段と相まみえた王将戦を皮切りに――数多くのタイトル戦、公式戦に臨んでいます。1月から4月23日までにあった対局を各月ごとにまとめると以下の通り(※マークのテレビ対局は放映日に準ずる。段位は対局時点のもの)になります。

「最年少六冠+一般棋戦グランドスラム」の足跡が凄い

〈1月〉
 1月8、9日 王将戦第1局 vs羽生善治九段 ○
 15日 朝日杯1回戦 vs阿久津主税八段 ○
 15日 朝日杯2回戦 vs増田康宏六段 ○
 15日 NHK杯3回戦※ vs佐藤天彦九段 ○
 18日 順位戦A級 vs豊島将之九段 ○
 21、22日 王将戦第2局 羽生善治九段 ●
 28、29日 王将戦第3局 羽生善治九段 ○

〈2月〉
 1日 順位戦A級 vs永瀬拓矢王座 ●
 5日 棋王戦第1局 vs渡辺明棋王 ○
 5日 NHK杯準々決勝※ vs中川大輔八段 ○
 9、10日 王将戦第4局 vs羽生善治九段 ●
 18日 棋王戦第2局 vs渡辺明棋王 ○
 23日 朝日杯準決勝 vs豊島将之九段 ○
 23日 朝日杯決勝 vs渡辺明名人 ○
 25、26日 王将戦第5局 vs羽生善治九段 ○

〈3月〉
 2日 順位戦A級 vs稲葉陽八段 ○
 5日 棋王戦第3局 vs渡辺明棋王 ●
 8日 順位戦A級プレーオフ vs広瀬章人八段 ○
 11、12日 王将戦第6局 vs羽生善治九段 ○
 12日 NHK杯準決勝※ vs八代弥七段 ○
 19日 棋王戦第4局 vs渡辺明棋王 ○
 19日 NHK杯決勝※ vs佐々木勇気八段 ○

〈4月〉
 5、6日 名人戦第1局 vs渡辺明名人 ○
 11日 叡王戦第1局 vs菅井竜也八段 ○
 23日 叡王戦第2局 vs菅井竜也八段 ●

 昨年度末の3月には「最年少六冠」「一般棋戦グランドスラム」達成など、藤井竜王の戦いぶりに大きく注目が集まりました。こうして振り返ると様々な公式戦に挑み、さらに20代~50代まで多士済々な棋士たちと戦っていることが分かります。その中で「勝率8割」を残しているのは、凄まじいことです。

棋士は対局に向けてどんな準備をしている?

 今回のテーマで質問を受けたのは「対局に向けての準備」についてです。叡王戦の前日会見で藤井竜王は〈振り飛車党の菅井八段に対してどう臨むか?〉とのニュアンスで問われると、「これまでとは将棋の内容としても大きく変わってくると思うので、こちらもそれに合わせて調整していけたらと思っています」と話されたそうです。

 渡辺名人と菅井八段は全く違う戦法の使い手なので、準備は相当大変だろうと推察されます。では、棋士は対局に向けてどのような感覚で準備しているのか? 私の経験談を交える形で恐縮ですが……ファンの方にイメージできるよう、少し説明できればと思います。

【次ページ】 大谷選手やダルビッシュ投手のような多彩な球種を

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