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「1位はもちろん大谷…じゃなかった」甲子園球児の“好きなプロ野球選手”ベスト25…大谷は3位、では1位は? 調べて判明「“小柄な選手”が人気の事実」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byGetty Images
posted2023/04/07 11:01
令和の高校球児が選ぶ「好きなプロ野球選手」は誰か――。調べてみると、驚きの結果が明らかになった
2000年版「好きな野球選手」ベスト25
これらの法則性は過去にも当てはまるのか。村上宗隆の生誕した2000年当時の「好きなプロ野球選手」ベスト25を見てみよう(同年の『週刊ベースボール別冊春季号』から集計)。
1位:40票 松井稼頭央(西武・遊撃手)
2位タイ:35票 イチロー(オリックス・外野手)
2位タイ:35票 高橋由伸(巨人・外野手)
4位:29票 前田智徳(広島・外野手 ※「前田」表記の1票含む)
5位:23票 松坂大輔(西武・投手)
6位タイ:20票 古田敦也(ヤクルト・捕手)
6位タイ:20票 桑田真澄(巨人・投手)
8位タイ:19票 松井秀喜(巨人・外野手)
8位タイ:19票 二岡智宏(巨人・遊撃手)
10位:18票 上原浩治(巨人・投手)
11位タイ:12票 秋山幸二(ダイエー・外野手)
11位タイ:12票 元木大介(巨人・三塁手)
13位タイ:11票 清原和博(巨人・一塁手)
13位タイ:11票 関川浩一(中日・外野手)
13位タイ:11票 石井琢朗(横浜・遊撃手)
16位:10票 仁志敏久(巨人・二塁手)
17位タイ:9票 緒方孝市(広島・外野手)
17位タイ:9票 東出輝裕(広島・二塁手 ※2000年から遊撃手にコンバート)
19位タイ:8票 川相昌弘(巨人・三塁手 ※二岡の加入で遊撃よりも三塁が増加)
19位タイ:8票 立浪和義(中日・二塁手)
21位:7票 新庄剛志(阪神・外野手)
22位タイ:6票 工藤公康(巨人・投手)、高津臣吾(ヤクルト・投手)、江藤智(巨人・三塁手)、小久保裕紀(ダイエー・三塁手)
「人気選手になる」3つのタイプ
甲子園で5打席連続敬遠され、巨人の主軸だった松井秀喜は意外にも8位タイ。類まれなパワーを持っていたため、村上宗隆と同じようにセンバツ球児は真似できないと考えたのかもしれない。ベスト3には松井稼頭央、イチロー、高橋由伸と三拍子揃った野手が選ばれた。2023年の5位に山田哲人、6位に柳田悠岐とトリプルスリー達成者が並んだように、「万能型」「天才型」も好まれるようだ。
174センチの石井琢朗、173センチの立浪和義、171センチの仁志敏久、東出輝裕がランクインしているように「小柄な体格」も当時から人気があった。ただ、東出は9票中7票(77.8%)を母校の敦賀気比から得ている。この例は二岡智宏にも当てはまり、19票中13票(68.4%)が母校の広陵からだった。
2000年と2023年を比べると、上位ランクインの傾向に大差はなかった。しかし、1980年代には「甲子園スター」「小柄な体格」「万能・天才型」のいずれにも該当しない稀有な人気者がいた――。〈つづく〉
参考資料
『センバツ 2023 第95回選抜高校野球大会完全ガイド』(週刊ベースボール別冊春季号/2023年)
『センバツ 2000 第72回選抜高校野球大会完全ガイド』(週刊ベースボール別冊春季号/2000年)