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「1位はもちろん大谷…じゃなかった」甲子園球児の“好きなプロ野球選手”ベスト25…大谷は3位、では1位は? 調べて判明「“小柄な選手”が人気の事実」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byGetty Images
posted2023/04/07 11:01
令和の高校球児が選ぶ「好きなプロ野球選手」は誰か――。調べてみると、驚きの結果が明らかになった
「吉田正尚が1位」の理由を考える
センバツ球児が「好きなプロ野球選手」を挙げる際、2つの傾向がある。
1. 投手は投手、打者は打者を選びやすい。
2. 自分と同じ守備位置を選びやすい。
つまり、単に好きで憧れるだけではなく、自分のプレーに参考になりそうな選手の名前を記入しがちになる。この傾向に、全641選手の“平均身長173.7センチ”というデータを加えると、順位の謎が解ける。
特大ホームランをかっ飛ばす193センチ、95キロの大谷翔平、188センチ、97キロの村上宗隆のプレースタイルはすぐには真似できない。しかし、さほど自分たちと変わらない身長なら……とプロ野球界では小柄な173センチの吉田正尚と今宮健太を挙げる球児が多かったのではないか。4人の票数を球児の身長別に分けてみよう。
169センチ以下 14票:今宮健太 11票:吉田正尚 3票:大谷翔平 1票:村上宗隆
170~174センチ 16票:吉田正尚 10票:今宮健太 7票:大谷翔平 1票:村上宗隆
175~179センチ 6票:大谷翔平 5票:吉田正尚 4票:村上宗隆 4票:今宮健太
180センチ以上 8票:大谷翔平 4票:村上宗隆 4票:吉田正尚 1票:今宮健太
小柄な体格=憧れに?
やはり、自分の身長に近いスターを「好きなプロ野球選手」に選んでいた。ベスト15には身長170センチの森友哉、甲斐拓也もランクインしている。「小柄な体格」の成功者は球児に勇気を与えるようだ。ちなみに、村上宗隆を挙げた10人のうち8人は全センバツ球児の平均身長以上で、179センチ以上が7人もいた。
遡って、佐々木朗希が3票と伸びなかった理由には「真似のできない体格(192センチ、92キロ)」「甲子園不出場」に加え、「優勝経験なし」が考えられる。ベスト15を見ると、過去5年間で一度もチームで優勝をしていない選手は大谷翔平、OBの鳥谷敬、イチローだけ。チームが強ければメディアに取り上げられやすくなり、球児が目にする機会も増えるため、ペナント制覇は重要なのだ。