甲子園の風BACK NUMBER
旧帝大に80人、東大・京大合格者も…“偏差値69”宮城トップ級進学校の野球部が“県大会ベスト4”のナゼ「自主性重視でも…自分勝手にはさせない」
posted2026/02/25 11:00
例年、難関大に多くの合格者を輩出する仙台一高野球部。昨夏、39年ぶりの県大会ベスト4に入るなど近年の躍進のワケは?
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二瓶祐綺Yuki Nihei
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NumberWeb
受験シーズン真っ盛りの2月。月末には国公立大の試験も控え、いわゆる「進学校」と呼ばれる高校にとっては、その後の評判にもかかわる大一番が待っている。例年、東大・京大をはじめとした難関大に合格者を出す宮城県の仙台第一高校もそのひとつだ。だが実は近年、同校の硬式野球部が躍進を見せている。昨夏の県大会でベスト4に入るなど活躍を見せたウラには、どんな秘密があったのだろうか。《NumberWebレポート全3回の1回目/つづきを読む》
2022年夏、深紅の大優勝旗が白河の関を越えたことは記憶に新しい。
甲子園で東北勢初の快挙を成し遂げ、宮城県の高校野球界の絶対王者に君臨するのが仙台育英高校だ。
そんな仙台育英に2020年以降公式戦で土をつけた宮城県内の高校は仙台商業、東北、東陵、聖和学園とわずか4校だけ。そのうち3校が私立校である。この事実からも分かるように、私立校への学費無償化などの動きも進み、公立校が躍進するハードルは以前にも増して高まっている。
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直近を振り返ってみても、2025年夏の宮城大会ではベスト4の顔ぶれは仙台育英のほか、東陵、東北学院榴ヶ岡と私立校ばかりが並んだ。
公立進学校が“39年ぶり”県大会ベスト4進出の快挙
一方その中で公立校唯一のベスト4入りを果たしたのが宮城県仙台第一高等学校だ。
仙台一高の名で知られるこの高校は、旧制中学時代から続く伝統校で、地元・東北大に毎年多くの合格者を輩出するほか、東大や京大の合格者も輩出する県内トップクラスの進学校だ。そんな仙台一高にとって、夏のベスト4は実に39年ぶりの快挙だった。
「39年ぶり」と聞くと、公立進学校が偶然勝ち上がっただけと思うかもしれない。しかしこの仙台一高の躍進は決して偶然ではない。
その躍進の原点は6年前の2020年、新型コロナウイルス蔓延の影響で、戦後初めて甲子園が中止となったあの夏まで遡る。この年、仙台一高は県の独自大会で、ベスト4入りを果たしている。厳密には夏の宮城大会とは異なるものの、実は仙台一高にとって「夏のベスト4」は5年ぶりだったのだ。

