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高校野球で素朴な疑問「普通の公立校は…仙台育英に勝てる?」《昨夏は県ベスト4》宮城トップ級進学校に聞く“番狂わせの起こし方”「量より質に逃げない」
posted2026/02/25 11:01
昨夏の宮城県大会では39年ぶりにベスト4まで進出した仙台一高。準決勝は“絶対王者”仙台育英に完敗となったが、番狂わせは可能なのだろうか?
text by

二瓶祐綺Yuki Nihei
photograph by
Asahi Shimbun
受験シーズン真っ盛りの2月。月末には国公立大の試験も控え、いわゆる「進学校」と呼ばれる高校にとっては、その後の評判にもかかわる大一番が待っている。例年、東大・京大をはじめとした難関大に合格者を出す宮城県の仙台第一高校もそのひとつだ。だが実は近年、同校の硬式野球部が躍進を見せている。昨夏の県大会でベスト4に入るなど活躍を見せたウラには、どんな秘密があったのだろうか。《NumberWebレポート全3回の2回目/つづきを読む》
2025年の夏の宮城大会で39年ぶりにベスト4に進出した仙台一高。県内ではトップ級の進学校として名高い同校だが、コロナ禍の中行われた2020年の独自大会以来、5年ぶりのベスト4に進出した。
そんな仙台一高の前に、準決勝で立ちはだかったのが強豪・仙台育英だった。
実は2020年の独自大会でも仙台一高は準決勝で仙台育英と対戦している。会場も2025年と同じ石巻市民球場。結果は2020年が1対7、2025年が1対8の7回コールドと、どちらも点差をつけられて敗れている。
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両年ともに県ベスト4という結果を残した一方で、跳ね返された超強豪の壁。5年越しに直面したこの結果について、選手たちはどう考えているのだろうか?
2年生で唯一スタメンだった島貫晃輔は、仙台育英の印象をこう振り返る。
「もちろん力の差はありましたし、試合に後悔はありません。ただ、『もしこうしていたら……』とか考える余地のあるプレーはいくつもあったんじゃないかと思います」
王者・仙台育英の印象…「“正しい努力”を積めば」
代打で出場し、ヒットを放った2年生の田原口慈も振り返る。
「仙台育英は強かったです。でも、絶対に勝てない相手だと思ってしまったら本当に勝てない。ここから全員が“正しい努力”を積めば勝負できるはずだと信じています」
コールドでの敗戦を経験したうえでなお、選手たちは前向きだった。仙台育英は、強い。それでも勝てる可能性はゼロではないと思うことができているという。
ではその仙台育英との差はどこにあるのか。勝利には何が足りないのか。

