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なぜ投手・大谷翔平はWBC準々決勝が“ラスト”なのか? メジャー担当記者が解説する“MLBの掟”「球数や登板間隔を球団が細かく管理」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/16 11:08
準々決勝での登板がラストとなる大谷翔平。その背景にはMLB球団側の考えがある。
投手だけでなく、野手の場合も、開幕まで一定の打席数、守備機会を与えられるように起用しなくてはならない。米国のマーク・デローサ監督は「正直に言うが、みんなが公式戦の開幕に準備できるように、いろんなことを各球団と情報交換している」と、試合の勝敗だけでなく、各選手の仕上がりにも目配りを必要とする裏事情を明かした。
WBCとMLBにとっての「成功」とは?
過去の大会では、公式戦への影響を考慮して出場を辞退する選手が続出した。だが、前回大会の優勝シーンを見たマイク・トラウトが「後悔した」と公言し、今回は米国主将を務めるなど、トップ選手のWBCへの参加意識は着実に変わってきた。
その一方で、大会後には長丁場の公式戦が控えるため、各国首脳陣にすれば、高額年俸を稼ぐ各球団の「宝」を酷使して疲弊させるわけにもいかない。国の代表としての威信をかけて、たとえ世界一を勝ち取ったとしても、大谷をはじめとするスーパースター達に、その「代償」を払わせるような事態になれば、次回大会以降の選手招集にも影響を与えかねない。
大会への注目度がアップし、緊迫した戦いが続けば続くほど、自ずと選手のテンションも上がる。スポーツにケガは付きものとはいえ、各国の選手が無事に開幕戦を迎えてこそ、WBCは大成功と言えるのではないだろうか。
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