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なぜ投手・大谷翔平はWBC準々決勝が“ラスト”なのか? メジャー担当記者が解説する“MLBの掟”「球数や登板間隔を球団が細かく管理」 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2023/03/16 11:08

なぜ投手・大谷翔平はWBC準々決勝が“ラスト”なのか? メジャー担当記者が解説する“MLBの掟”「球数や登板間隔を球団が細かく管理」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

準々決勝での登板がラストとなる大谷翔平。その背景にはMLB球団側の考えがある。

 つまり、「準々決勝に大谷とダルビッシュ」を起点として、「大谷―ダルビッシュ―佐々木朗希―山本由伸」と並ぶ1次ラウンドのローテーションが確定した可能性が極めて高い。

大谷も例外ではない「球団からの管理」

 その一方で、エンゼルスのネビン監督はキャンプイン直後、大谷を今季の開幕投手起用を発表した。となると、大谷は開幕戦の3月30日から逆算して調整を進めることになる。同監督は、今季は先発大谷を基本的に中5日で起用する方針を固めており、絶対的なエースとなった大谷自身も、自覚を持って前向きに挑む姿勢を明かしてきた。WBC終了後、米アリゾナのキャンプに再合流する大谷のオープン戦最終登板は、開幕戦まで中5日となる24日のパドレス戦。米国東部時間16日午前6時(日本時間16日午後7時)の準々決勝で先発する大谷は、日程上、米国ラウンドでの先発登板が不可能となった。

 日本に限らず、各国首脳陣は、大会中も選手の所属球団と頻繁に連絡を取り合いながら選手の調整ペースに配慮してきた。特に、投手陣は球数や登板間隔が球団ごとに細かく管理されており、ブルペンでの投球練習、実戦登板など、開幕から逆算した調整プランの中で、起用法が決められてきた。日本代表に合流した大谷も例外ではなく、その調整プランの真っ只中にあるのだ。

アメリカ代表では球団側からの要望で“降板させず”

 他の国に目を移すと、米国代表のブレイディ・シンガー(ロイヤルズ)は、12日のメキシコ戦に3番手として救援。登板直後の4回に4失点したものの、5回も続投した。劣勢の試合展開でもあり、本来であれば4回途中で交代しても不思議ではなかったが、ロイヤルズの開幕投手候補でもあり、球団側から「60球をメド」との要望があったため、2イニングで53球を投げることになった。

【次ページ】 WBCとMLBにとっての「成功」とは?

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