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「きょうはオマエが先生な」侍ジャパン山川穂高はなぜ“言語化”を求める? ロッテ4番候補・山口航輝(22歳)を変えるホームラン王の金言
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/03/03 11:02
西武・山川穂高(左)の自主トレに参加したロッテ・山口航輝。今季は「ホームラン30本」を目指す
そして、もう1つ大切にしていることがある。
それは「ルーティンを大事にしよう」ということ。山川に助言され、約束を交わした。
「きょう、結果が出たから同じことをしようというようなルーティンではなく、一年間変わらないルーティンをシーズン前に考えて、それをどんな時でも今年はやり通そう」
何事も流れは大事だ。一定のリズムは流れを生む。ルーティンは縁起担ぎというものではなく、あくまで野球の技術向上のために行う一連の動作。じっくりと考えて編み出した。
ネクストバッターズサークルでバットを担いで、屈伸をする。打席に入る前に三塁線の前に立って、スイングを1回する。打席に入ると左手にバットを持ち、まずホームベースの右端をバットでコンと当てる。次は左端、今度はホームベースを挟んで対面にある左バッターボックスの右端、そして最後に右臀部を叩く。打撃の際に臀部を意識することを心掛けるための動作でもある。
「全身に力が伝わっているのを感じる」
「お尻を股関節に入れる意識。フワフワすると、どうしても力が入らない。お尻を意識して右側に重心が入った感じで打席に入ると構えがピタッとハマる。ボクにとって、お尻はポイントで元々、トレーニングを強化していた部分でもあった」
しっかりと身体の動きを意識して打つことで打球の感覚も変わってきた。
「全身に力が伝わっているのを感じる。下半身と上半身がうまくつながって連動しながら打つことができている。今まで意識的に打球を上げて打とうとしていたのだけど、今は身体をしっかりと使って打てば打球は自然と上がる。左中間、右中間方向のいい打球が増えています」