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「6番大谷翔平も面白い」鈴木誠也が辞退…WBC打線とローテはどう組む? 山崎武司が挙げるキーマン「ダルビッシュはイチローのように」
posted2023/03/03 06:00
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Nanae Suzuki/JIJI PRESS
史上最強軍団の心臓とも言える選手が欠ける影響は小さくない。WBC初戦の中国戦が9日後に迫った2月28日、鈴木誠也が怪我によりWBCを辞退すると所属するカブスから発表された。セ・パ両リーグでホームラン王に輝いた野球評論家の山崎武司さんは、日本代表を率いる栗山英樹監督の胸中を推し量りながら「切り替えて前に進んでいくしかありませんが、主砲として期待していた選手がいなくなるのは痛手ですね」と語った。
山崎さんは今回のWBC日本代表を「過去最強メンバー」と評する。その中で、4番に座るのは鈴木が一番ふさわしいと考えていた。
「4番に誠也、5番に村上(宗隆)がベストな形だと思っていました。誠也は確実性も長打力もあります。東京五輪で主軸を担った経験もありますし、メンバーに左打者が多いことも考慮すると、これ以上の4番打者はいないと感じていました」
「大事なのは村上の後を打つ5番打者」
日本代表に選出された外野手は、鈴木に代わって追加招集されたソフトバンク牧原大成を含めて全員が左打者。打力と守備力を兼ね備える鈴木の穴を1人の選手で埋めるのは難しく、チーム全体でカバーしていくことになる。
山崎さんは3大会ぶりの優勝を目標に掲げる日本代表のキーマンに、師と仰ぐ野村克也さんの言葉を引用した。「エースと4番です」。4番打者の大本命だった鈴木が出場できなくなり、大役を務められる選手は「村上しかいません」と強調する。
「4番に村上を据えて、打線を組んでいく形になると思います。昨シーズンの三冠王ですから、相手チームには当然警戒されます。そこで、大事になるのは村上の後を打つ5番打者です」
日本代表には西武・山川穂高、巨人・岡本和真、オリックスからレッドソックスに移籍した吉田正尚ら各球団で4番やクリーンアップを任されている打者が揃う。メンバー構成を見ると4番までは左打者が並ぶ可能性が高く、山崎さんは「日本を代表する左打者ばかりで、シーズン中は左投手を苦にしないといっても、球威のある外国人の左投手を攻略するのは簡単ではありません。打線のバランスを考えて5番には右打者を置きたいところです」と話す。そこで、推すのはDeNA牧秀悟だ。
「牧は長打力があって、勝負強さもあります。簡単にアウトにならないですし、ロースコアの勝負が増えると予想されるWBCでは監督が戦術の選択肢を持てる打者だと思います」
WBCはペナントレースと違い短期決戦で、1つのプレーで命運が決まるケースもある。一発で試合を決める長打力も魅力だが、1点を取りに行く進塁打や犠打が求められる場面も少なくない。その点で、山崎さんは牧に期待を寄せている。
大谷の打順の“意外な提案”とダルビッシュへの期待
打線で注目されるのは、大谷翔平の打順をどうするのか。