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内村航平34歳らが「スーパーラジオ体操、超人な逆上がり」実演…「これをやるために生まれてきた」と語る“引退後の一大イベント”
text by
長谷部良太Ryota Hasebe
photograph byKyodo News
posted2023/01/12 11:00
「体操展 動く芸術」で演技する内村航平さん（左から2人目）や白井健三さん（同3人目）ら
その後、ゆかのフロア上で「スーパーラジオ体操」が始まった。「ラジオ体操第1」の曲に合わせ、通常の動きに加えて出演者たちが宙返り技や高い柔軟性などを披露した。
「全く反動を使わない逆上がり」に大きな歓声が
続いて「体操進化論」。小学校の授業で行われるような初歩的な技が、どのように高難度の技につながっていくかを動きを交えながら解説した。例えば鉄棒の場合、まず地元の小学生が通常の逆上がりを行う。次に内村が、バーにぶら下がりお尻を地面に付けた状態から全く反動を使わず、ゆっくりと実施してみせた。10秒ほどもかけた逆上がり。極めて単純な動きではあるが、一般人がまねできないような力技に大きな歓声が上がる。
続く白井は、お腹をバーにつけない連続逆上がり。最後は田中佑典が、競技会でも使われる「後方開脚浮腰回転倒立（シュタルダー）」を実施した。もはや逆上がりとは関係ないようにも見えてしまうが、動きの原理は同じ。鉄棒以外にも、マット運動や跳び箱でも同じように「進化」の流れを示した。現代人の二足歩行が、四足歩行から進化したことを実演するような見せ方で、基本の延長線上に超人技があることを伝えた。
ここまでは、出演者や観客にとってのウォーミングアップと言ったところ。次の「魅せる体操」のパートでは、ゆか、跳馬、鉄棒の器具を使って本格的な技を見せた。
跳馬で見せた余裕たっぷりのファンサービス
最初のゆかは、杉原がトップバッターを務めた。音楽に合わせた振り付けとともに、片足を持ち上げて180度開脚させたままの2回ターンを3度も実施した。続いて、内村が静寂の中で質の高い連続跳躍技や倒立技を行う。観客と一体になって楽しむミュージカルのような杉原の演技の直後、手に汗を握りながら見入ってしまうような内村の技を見せることで、男女の競技性の違いも分かりやすく伝わったことだろう。
最後は白井。2回宙返り2回ひねりの跳躍技を伸身と抱え込みで見事に決めたかと思えば、杉原と同じ2回ターンも披露。試合では減点となるラインオーバーや、転倒までしてみせた。現役トップ選手を思わせる妙技と、女子の技やユーモアの要素を組み合わせた白井らしい内容だった。
続いて跳馬。内村は演技前、器具に向かって両手を付き出すお馴染みの仕草を見せた後、前方に着手する技を披露した。本来は後ろ向きで着手する技のルーティンだが、余裕たっぷりのファンサービスだった。
