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森保監督が“辞任の挫折”で得た経験、「ブラボー!」長友佑都はなぜ“酷評されてもタフ”なのか「ミスしても俺は関係ねえよって…」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/12/31 11:06
森保一監督と長友佑都。カタールW杯サッカー日本代表の奮闘を語るに欠かせない2人だった
大みそかの紅白歌合戦の審査員を経て……2023年から第2章の船出が始まるが、再び世間のサッカーファンの厳しい目が向けられる状況はどこかで起きるのだろう。どんな事態に直面しても、冷静な判断と柔軟な動きが求められる。
森保監督は第1期序盤の頃、「“楽しむための楽しむ”じゃなくて“厳しい戦いに勝つための楽しむ”。勝ちにこだわって楽しんでほしい」と語っていたことがある。選手たちの自主性を育んだ4年間から、次の2026年W杯に向けてどのような課題をチーム、そして自身に設けていくのか。
長友が語っていた「W杯の借りはW杯でしか返せない」
<名言3>
W杯の借りはW杯でしか返せない。
(長友佑都/Number954・955・956号 2018年6月14日発売)
◇解説◇
もしも2022年の“流行語大賞”の発表が半月遅ければ……この言葉が選ばれていただろう。
「ブラボー!」
発信源はもちろん、長友佑都だ。フィールドプレーヤーとしてはカタールW杯日本代表の最年長となる36歳で、4大会連続となるW杯出場となった。
「日本はブラジルで本当に世界を驚かせることができると信じていた」
長友は2014年のブラジルW杯をこのように振り返っていたことがある。
アルベルト・ザッケローニ監督体制下の日本は、本田圭佑や香川真司らを中心にした能動的なスタイルを標榜。2011年アジア杯制覇に始まり、アジア予選での戦いでは圧倒的な力量差を見せつけ、敵地フランス戦での勝利やイタリア、オランダといった強豪相手にも好勝負を繰り広げるなど期待感は高まり続けた。
だが、肝心の本番では“ゲームプランの引き出し”の少なさもあってチームが機能しきれず、1分け2敗でグループ最下位と散々な結果に終わった。その中でも長友にとって、1-4と大敗した最終戦のコロンビア戦が最も記憶に残った一戦だという。
南米の強豪に実力差を見せつけられ、試合後に号泣した長友だったが――ロシアW杯ではコロンビア相手に勝利するなど、決勝トーナメント進出を果たしてリベンジに成功する。
さらにその4年後、36歳となった長友は自身4度目となるW杯に臨み、カタールの地でドイツ、スペインを撃破するという最高の大番狂わせを経験した。キャリアを通じて、まさにW杯の借りをW杯で返したのだった。