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「アスリート生活は一種のドーピング(笑)」元バレー代表・福澤達哉が考えるセカンドキャリア論『できない』世界へ飛び込んだ時に大事なこと
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYuki Suenaga
posted2022/11/18 17:00
仕事終わりにインタビューに応じた福澤達哉さん。業務に追われる毎日だが、日本代表戦の解説などバレーボールに関する仕事も積極的にチャレンジしている
入社早々にオリンピック・パラリンピックのスポンサーシップに携わる部署を希望し、東京2020大会の招致が決定する13年まで在籍。大会本番へ向け、所属部署が大阪から東京に移転したことを機に、大阪・枚方を活動拠点とするパナソニックパンサーズの所属選手である福澤さんは、パナソニックグループ全体の広報を担当する部署へ異動した。現役を退いた今も、引き続き同部署に在籍している。
では今、福澤さんはどんな業務を担っているのか。
「実務としては、従業員向けのポータルサイトの運営やオンライン・冊子型の社内報の編集など、パナソニックグループ全体に向けたインターナルコミュニケーションを主に担当しています」
社内報冊子の発行部数は国内の従業員を対象に8万部を超える。海外の従業員も閲覧できるように英語版も作成し、eブックでも発信する。年5回ペースで発刊しており、担当するのは福澤さんを含め数名しかいない。オウンドメディアとして、紙、WEB、映像でさまざまなコンテンツを発信し、自らのSNSではインタビュアーを務めた映像も紹介していた。
選手時代から話術に長けており、“しゃべり”で前に出るのは大いに納得できる。ただ、福澤さんの仕事内容はそれだけではない。
取材→撮影→執筆→校正→レイアウト作業
「しゃべるだけでなく、取材をして書く。まさに今、こうやってインタビューされていることを私もしているので、(記者の)気持ちがよくわかるようになりました(笑)。これを聞きたいのに話が脱線してしまった、どうやって戻そうか、このくだりが長くなったから書き起こし大変やな、とか(笑)」
インタビュアーに留まらず、書き手も撮り手も務める敏腕ぶり。録音した音声を文字に書き起こす作業をはじめ、記者ハンドブックを片手に文章を校正し、レイアウト作業まで行う。「皆さんが締め切りに追われて心が落ち着かない感じも今はよくわかる」と毎日何かしらの“期限”に追われている日々。それがサラリーマン福澤達哉の日常だ。