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「取材では常に『自信がある』と言ってきましたが、本音はまだまだ」バレー代表・高橋藍(21歳)が目指し続ける“強い自分”
posted2022/11/04 06:00
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph by
Kiichi Matsumoto
イタリアリーグが始まりました。
昨シーズンは途中から合流だったのですが、今季は開幕から同じスタートラインに立って勝負ができます。
昨年12月に合流した時も同じように「やってやる」という気持ちはありましたが、チームができあがっていた中に加わったので、お客さん感は否めず、極端に言えば練習生に近い立ち位置でもありました。自分が強くなると決めてチャレンジをしている以上、やはり勝負するにはスタートからだと思っていたので、世界選手権を終えてすぐイタリアに来ることを選びました。
そんな背景もあり、僕自身も気合が入っていましたが、チームメイトも練習から「俺が絶対コートに立つ」「レギュラーを取る」とバチバチぶつかり合っていた。その中で自分のやるべきことを発揮して、開幕戦からコートに立つことができた。また1つ、大きな自信になりました。
“ストレスなし”で臨むイタリア2年目
僕が所属するのは、昨シーズンと同じくパドヴァ。2シーズン目なので、街にも慣れ、スーパーも自由自在に行けるし、少しずつイタリア語も勉強し始めたので、不便はありません。生活面においてほぼストレスがない中で迎えた開幕戦は10月1日(日本時間2日)、ホームアリーナのキオエネアリーナでモデナと対戦しました。
世界中からトップ選手が集まるイタリアリーグですが、その中で「トップ4」と呼ばれ、多くの優勝回数を誇り、常に上位進出を果たしている強豪チームがあります。昨シーズンの覇者であるルーベ、準優勝のペルージャ、そしてトレンティーノ、モデナ。
今季のパドヴァは開幕戦からモデナ、続いてルーベと対戦する厳しいスタートでしたが、各国の代表選手が多いクラブでもあり、世界選手権から間もないリーグ開幕当初はまだチームとしての完成度もそれほど高くない。勝てる可能性も十分にあると思っていました。
世界のスーパースターが集まるモデナですが、中でも象徴は世界選手権でもフランス代表で対戦したイアルバン・ヌガペト選手、ブラジル代表のセッター、ブルーノ・レゼンデ選手。まだ本調子でないとはいえ、ヌガペト選手のペースにはまってしまうと「何でそれが決まる?」と焦るし、イライラしてしまうので(笑)、まずはやるべきことをやる。そうすれば、チャンスは十分にある。そうシンプルに「やってやるぞ」と思って臨んだモデナ戦では、自分自身としても最高のパフォーマンスを発揮することができました。