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11月開幕に中3日の連続、メンバー増…日本サッカー界の第一人者が語る、異例ずくめのカタールW杯を勝ち抜くコンディショニング術 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2022/11/15 11:00

11月開幕に中3日の連続、メンバー増…日本サッカー界の第一人者が語る、異例ずくめのカタールW杯を勝ち抜くコンディショニング術<Number Web> photograph by AFLO

ロシアW杯のトレーニングで選手と一緒に走る早川氏。1963年生まれの59歳だ

――控え選手のコンディションがいいから、入れ替えもやりやすくなるという側面も出てきますよね。

「当然そうなります。身体的なコンディションだけでなく、精神的なコンディションも維持させなければなりません。選手にとって夢の舞台であるワールドカップですが、1カ月以上の共同生活で日頃では感じないようなストレスを受けることになりますし、所属クラブでは中心選手として活躍する選手であっても出場機会を与えられない選手もいるわけです。

 監督やスタッフにとって大会前の準備期間から大会期間中にどうやって身体的、精神的コンディションを維持させるかは、どの大会であっても大きな課題になると思います。ロシア大会では大会直前に監督交代があって、自然にチーム内に危機感みたいなものが生まれて、これまでにない形でチームに一体感が生まれたような気がします」

プラス3人をどう使いこなすか

——今回も一体感を持てるかどうか、は大切な要素ですね。

「今回の登録選手はこれまでの23人から3人増員されて26人となっています。5人の交代枠といっても出場機会のない選手は必ずいると思います。チームのコンディション、選手個々のコンディションを見極めて、森保監督とスタッフがどのようにコントロールしていくかがベスト8進出への鍵になると思います」

――早川さんはこれまでずっとスタッフとしてチームのなかに入っていたわけですが、今回は外から日本代表を応援する立場になります。どのように期待されていますか?

「森保監督はロシア大会にアシスタントコーチとして帯同していますし、私が一緒にやってきた選手も数多くいます。これまでの経験を存分に活かしてチームが一体となって戦ってほしいなと思います。特に川島(永嗣)、長友(佑都)、吉田(麻也)など、経験豊富な選手たちは、監督とはまた違う立場でこれから起こりうることをイメージして行動できますし、試合に出場してもしなくても色々な面でバランスを取りながらチームを一つの方向に導いてくれると思います。

 すべての準備を終えて、心身ともに充実したコンディションでワールドカップに臨む代表チームのベスト8への道を日本からしっかり見届けたいと思います」

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