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ムシアラ、フォデン、チュメアニ…戸田和幸が才能爆発に期待する、カタールW杯のスーパースター候補たち《大穴はカナダ代表》
posted2022/11/02 11:01
text by
戸田和幸Kazuyuki Toda
photograph by
Getty Images
ワールドカップでは若きスーパースターが誕生する。
昔で言えば1958年のスウェーデン大会で大活躍してブラジルに初優勝をもたらした17歳のペレ、直近のロシア大会で言えばその圧倒的なスピードを見せつけてフランスの優勝に貢献した19歳のキリアン・ムバッペ。あの“皇帝”フランツ・ベッケンバウアーも20歳で1966年のイングランド大会に出場して脚光を浴びた。
スーパースターの資質を持った若いタレントを発見するのも、ワールドカップの一つの楽しみ方である。「Number渋谷編集室 with ABEMA」の企画として、サッカー解説者の戸田和幸さんに「カタールワールドカップで見るべき23歳以下の若手選手」を語ってもらった。
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若いタレントを「発見」と言っても既にブレイクしている選手は少なくありませんし、世界中のリーグが見られるようになったこの時代においては、「まったくの無名の選手」などいないと考えていいでしょう。今回はあくまで自分が見てきたなかで、カタールワールドカップでも面白そうだなと思える選手をランダムに挙げていければと思います。
まずもって現代のフットボールではスーパースターの定義が変わってきました。サッカーにおけるインテリジェンスが高く、4局面(ボール保持、非保持、攻から守、守から攻)を当たり前にすべてできることが最低条件。そのうえでスペシャリティーがどこにあるかが問われています。
現代のスーパースターの条件
私から言わせれば、ベルギー代表のケビン・デブライネはまさにそんな現代におけるスーパースター。ピッチの上から見ればここに立つ、走る、パスを出すって分かるのですが、彼はそれを平面レベルでやってしまいます。もはや異次元のレベルですね。トップ下やファンタジスタタイプの選手がディフェンスの部分を免除されるのはひと昔前であって、現代はそういった選手においてもしっかりとしたディフェンス力が求められます。すべてが高いレベルにある若い選手がゴロゴロといるのが現代でもあります。
この前提に立つと、ジャマル・ムシアラ(ドイツ代表/バイエルン・ミュンヘン/19歳)、フィル・フォデン(イングランド代表/マンチェスター・シティ/22歳)の2人はとても楽しみです。彼らは前線、中盤で複数のポジションを高いレベルでこなすことができ、FW、MFというポジションの括りではカテゴライズすることが難しい選手です。2人ともフィジカル面においてもペースが速く、スプリントを繰り返してこなせます。