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11月開幕に中3日の連続、メンバー増…日本サッカー界の第一人者が語る、異例ずくめのカタールW杯を勝ち抜くコンディショニング術 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2022/11/15 11:00

11月開幕に中3日の連続、メンバー増…日本サッカー界の第一人者が語る、異例ずくめのカタールW杯を勝ち抜くコンディショニング術<Number Web> photograph by AFLO

ロシアW杯のトレーニングで選手と一緒に走る早川氏。1963年生まれの59歳だ

――ロシア大会では第3戦のポーランド戦で先発を6人入れ替えています。ラウンド16のベルギー戦は2点リードしながらも後半途中から3点を奪われて逆転負けを喫しますが、ポーランド戦で入れ替えた効果なのか、過去3度あるラウンド16の戦いのなかでは一番コンディションが良かったようにも感じました。

「2002年日韓大会のトルコ戦は多少メンバーを入れ替えたとはいえ、コンディションの観点から言うと、全体的に集中力も含めてエネルギーが足りていなかったような気がします。南アフリカ大会は高地対策もできてコンディション的にも良い感じでラウンド16に進めたと感じましたが、試合後の選手からは“パラグアイ戦はガス欠でした”との声も聞かれました。

 ワールドカップでの選手たちは、通常の試合よりも大きな力を出していると思います。しっかり回復させていると思っても、特に日本のように初戦からすべてを出し切る必要があるチームは、大会が進むにつれて選手の疲弊感はとても大きくなってしまいます。ロシア大会ラウンド16ベルギー戦は後半の終盤で逆転されてしまいましたが、3戦目のポーランド戦でターンオーバーしたことで、日韓大会のトルコ戦、南アフリカ大会のパラグアイ戦に比べると、それまでにない良い状態で臨めたラウンド16だったと感じています」

――コンディショニングにおいて、ロシア大会ではほかにどのようなことがうまくいっていたと感じていますか?

「グループステージ2戦目を終えて勝ち点4にできたため、次戦のポーランド戦、ラウンド16までを見越して計画が立てられたと思います。セネガル戦の翌日には出場機会の少ない選手がトレーニングパートナーとして帯同(それまでは数人の選手がトレーニングパートナーとして帯同するのみだったが、初の試みとしてチームとして帯同)していたU−19代表チームとフルコートで試合形式のトレーニングを行なえたことで、サブ選手のコンディションを高いレベルで維持することができたと思います」

鍵を握るトレーニングパートナーの存在

――今回も同じようにU−19代表からトレーニングパートナーが参加すると聞いています。

「ロシア大会の経験が活きていると思います。2002年の日韓大会のときにはグループステージの試合2日後に地元の大学生と練習試合を行なって、サブに回った選手の試合体力と試合勘が落ちないように、コンディション維持を図りました。中山(雅史)、秋田(豊)の両ベテランが練習試合となると“裏ワールドカップ”と称してチームや若い選手を引っ張り、非常に集中したトレーニングを行なえたことが、サブに回った選手たちのコンディションを維持できた大きな要因となったと思います。

 後年、数回のワールドカップを経験して、日韓大会の両選手のように出場機会が少なくても精神的にチームを引っ張ってくれる存在はとても貴重だと痛感させられたことを思い出します」

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