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11月開幕に中3日の連続、メンバー増…日本サッカー界の第一人者が語る、異例ずくめのカタールW杯を勝ち抜くコンディショニング術

posted2022/11/15 11:00

 
11月開幕に中3日の連続、メンバー増…日本サッカー界の第一人者が語る、異例ずくめのカタールW杯を勝ち抜くコンディショニング術<Number Web> photograph by AFLO

ロシアW杯のトレーニングで選手と一緒に走る早川氏。1963年生まれの59歳だ

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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 4年に一度のサッカーの祭典、FIFAワールドカップ・カタール2022が11月20日に開幕。今大会では、なんと全64試合をABEMAが無料生中継します。ならばNumberも一緒に大会を盛り上げようということで、「Number渋谷編集室 with ABEMA」を期間限定で開設し、従来のNumberとは一味違ったコンテンツをNumberWebを通じて配信。渋谷編集室のスペシャル編集メンバーでスポーツライターの二宮寿朗さんが、短期決戦における日本代表のコンディショニング術について実績十分の第一人者、早川直樹さんに尋ねました。

 良いコンディションなくして、良い結果など得られない。

 短期決戦のワールドカップにおいて日本代表が躍進していくには外せないポイントになる。優勝を狙う強豪国は徐々にコンディションを上げていけばいいが、まだまだ発展途上にある日本の場合は初戦からトップに近い状態で入っていくしかない。そうでなければグループステージ1発目、ドイツ相手に勝ち点など奪えない。かつ「ベスト8」を目標に置くならチームとして良いコンディションを持続していく必要もある。

 今回のカタールワールドカップは欧州主要リーグの中断から約1週間後に開幕する異例の形で開催され、中3日で回していく大会にもなる。

 1999年から20年にわたって日本代表のアスレティックトレーナー、コンディショニングコーチを務めてきた早川直樹(現J2、V・ファーレン長崎フィットネスコーチ)は、過去3度のベスト16入りを陰から支えてきた日本サッカー界におけるコンディショニング指導の第一人者。彼には今回の大会が、どのように見えているのか。そして良いコンディションをキープして乗り切っていくにはどんなことが大切になってくるのか、じっくりと話をうかがった。

11月開幕の影響とは

――従来の6月開幕から11月開幕に変更となり、欧州のリーグが中断となってすぐの大会になります。準備期間も圧倒的に短いなかで本番に向かわなければなりません。日本代表にはどのような影響があると見ていますか?

「海外でプレーしている選手は試合が続いている状態、国内も大会が2週間前に終わったばかりとなるので、コンディション的には問題ないと思います。今大会は、これまでのワールドカップのような準備期間がないので、海外組で試合出場の機会が少ない選手、怪我明けでコンディションが不十分な選手については、試合勘がないことも含めて気になるところです」

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