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「さよなら! お台場の大観覧車」から2カ月…あの跡地は今、どうなった? 「金融ビジネス街&タワマン20棟以上」日本人が忘れた“お台場の夢”

posted2022/10/24 11:03

 
「さよなら! お台場の大観覧車」から2カ月…あの跡地は今、どうなった? 「金融ビジネス街&タワマン20棟以上」日本人が忘れた“お台場の夢”<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Masashi Soiri

8月末に惜しまれつつ営業終了したお台場の大観覧車(左)。10月上旬に訪れたときにはここまで解体が進んでいた(右)

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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JIJI PRESS/Masashi Soiri

 東京のような大都市は、とにかく建物の入れ替わりが激しい。ひと昔前にはその町のシンボルだったようなものも、気がつけば姿を消してまったく違うビルになっていたりする。

 そんな風景の移り変わりが、お台場でまさに起きている。長年のシンボルだった大観覧車とパレットタウンが営業を終え、目下取り壊しの工事が進んでいるのだ。

 10月上旬、実際にお台場を訪れてみると、もうこれはひとつの時代の終わりなんじゃないかと思うくらいに、ものの見事に観覧車が分解されている。観覧車よりも背の高いタワークレーンが脇にそびえ、観覧車の骨組みを次々に取り外している。お隣のヴィーナスフォートもMEGA WEBも閉鎖されていて、あとは取り壊しを待つばかり。跡地(の一部)にはプロバスケットボールBリーグ・アルバルク東京の試合会場などに使われる多目的アリーナが建設される予定だという。

 そんな観覧車に背を向けると、りんかい線東京テレポート駅を中心に広々とした公園が広がり、奥にはご存知もうひとつのお台場のシンボル、フジテレビの本社屋が存在感を放つ。ダイバーシティとガンダムも見え、ヒルトン東京お台場、グランドニッコー東京台場とお台場二大ホテルとアクアシティにデックス東京ビーチ。

 お台場という町はだいたいこういう風にできている。パレットタウンが閉鎖されてだいぶ寂しくなったのかと思いきや、ダイバーシティやアクアシティあたりには結構な人通りもあって、まだまだ東京を代表する観光地・商業地としての地位は揺らいでいないようだ。

48年前…お台場“最古”の施設とは?

 ところで、パレットタウンが開業したのは1999年のことだ。つまり、22年にわたってお台場のシンボルであり続けた商業施設と観覧車ということになる。ちなみにフジテレビの本社が河田町から移転してきたのはパレットタウンよりもほんの少し早い1997年だ。いったいパレットタウンの大観覧車はどんな経緯でシンボルになったのだろうか。

 お台場のはじまりは、江戸時代の終わり頃に幕府が築いた砲台にあるということは、よく知られた話だ。1853年のペリー来航の直後、幕府は当時の江戸湾に第1~第7までの7つの砲台を計画した。これが、いまのお台場のルーツといえる。

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