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35歳でPBを更新した佐藤悠基が語る。「自己ベストを出すためには大きく頑張るのではなく、半歩でいい」 

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林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph byTakeshi Nishimoto

posted2022/10/20 10:01

35歳でPBを更新した佐藤悠基が語る。「自己ベストを出すためには大きく頑張るのではなく、半歩でいい」<Number Web> photograph by Takeshi Nishimoto

積み重ねることで、確実に過去の自分より強くなる

 自己記録を更新し、佐藤が次の舞台に選んだのは10月16日のアムステルダムマラソン。目指したのはタイムではなく、世界へのチャレンジだ。

「MGCの権利も取れたし、変に守りに行くレースをしていたらもったいない。先日エリウド・キプチョゲが世界記録を更新しましたし、世界のマラソンはどんどん高速化しています。その中で世界に置いていかれないように、自分がさらに高みを目指したいのであれば、2時間8分のペースメーカーについていくのではなく、先頭集団で勝負して、自分がどこまで行けるのかを試すレースにしたい。残された競技生活は長くはないので、本気で勝負できる舞台は大切にしたいですね」

 最後に自己ベストを狙う市民ランナーにトレーニングのアドバイスをくれた。

「自己ベストを出すためには、今まで以上にハードなことをしなくてはいけません。ただ、大きく頑張るんじゃなくて、例えばインターバル走なら余裕がある時に1本増やすなど、半歩でいいから頑張ること。ほんの少しの違いかもしれませんが、これを積み重ねることで、確実に過去の自分よりは強くなるし、自信にもなるはずです。そういうことを繰り返しながら、自分をコントロールしていけば、大きな成果につながると思います」

 コントロールを武器に戦う佐藤はこれからどんなタイムを出していくのか。ベテランの走りから目が離せない。

佐藤 悠基Yuki Sato

1986年、静岡県生まれ。佐久長聖高校を経て東海大学に進学。箱根駅伝では3年連続区間記録を更新。ロンドン五輪では5000mと1万mに出場。現在はSGホールディングス陸上競技部で選手兼アドバイザーを務めている。

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佐藤悠基

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