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1番人気メイケイエールはなぜ不発に終わった? 波乱のスプリンターズS、「すべての展開が味方した」ジャンダルムが生んだ“血のドラマ”
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/10/03 11:57
スプリンターズSを制したジャンダルムと荻野極
日本馬が凱旋門賞に挑み続ける意味
スプリンターズステークスと同じ日の夜11時過ぎ(日本時間)に行われた第101回凱旋門賞には、タイトルホルダー、ドウデュース、ディープボンド、そしてステイフーリッシュと4頭の日本馬が出走したが、タイトルホルダーの11着が最高だった。
スタート前にも雨が降り、タフな重馬場となったここを制したのはイギリスの5歳牝馬アルピニスタ。これでGI6連勝。勝ちタイムは2分35秒71だった。
1969年のスピードシンボリによる初参戦から53年。のべ33頭の日本馬が世界最高峰の舞台に挑んだことになるが、またも悲願の成就はならなかった。
これまでの101回ではヨーロッパ調教馬しか勝っていないが、今後、必ず日本馬が何回も凱旋門賞を勝つようになるだろう。問題は、その1回目がいつになるかだ。
今年の勝ちタイムは、ドウデュースが制した日本ダービーの2分21秒9(良馬場)より14秒近く遅かった。
この時期のパリは雨が多いことや、パリロンシャン競馬場の芝は深くてやわらかいことなどは、前からわかっていることだ。あまりに異質だから参戦する意義はないなどとは考えず、異質だからこそ、同じ「メイントラックではある芝のチャンピオンディスタンス」で行われる、日本ダービーやジャパンカップの勝ち馬には、これからもチャレンジをつづけてほしい。日本ダービーと凱旋門賞の両方を勝てる馬をつくろうとすることは、間違いなく、日本の競馬のレベルを世界トップへと押し上げようとするモチベーションになる。
いつも同じことを言っているが、挑戦をつづけて、日本馬の強さを世界に見せつけてほしい。
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