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「一応登録しとくか」から「行くなら直行だ」 タイトルホルダー栗田師が明かす凱旋門賞挑戦の舞台裏「簡単に勝てる舞台とは思っていない。ただ…」
posted2022/10/02 11:02
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph by
Takashi Shimizu
今日の夜、新たな“勝負服”で初めての凱旋門賞に挑むのが栗田徹調教師だ。GI3勝のタイトルホルダーとともに挑む栗田師は海外遠征自体が初となる。2日朝のJRA単勝オッズでは1番人気に推され、日本からの大きな期待を背負う栗田師に、前編に引き続きインタビューで「凱旋門賞直行の経緯」と「ロンシャン競馬場への適性」を聞いた(インタビューはフランス渡航前の9月に行いました。単勝人気は日本時間午前9時の時点)。全2回の後編/前編は#1へ
前走・宝塚記念を振り返って
――凱旋門賞に挑むにあたって、前走が6月の宝塚記念ということになります。「逃げ」の印象が強かったタイトルホルダーが逃げずに2番手から抜け出し、レコード勝ち(阪神競馬場2200mの日本記録)で強さを示しました。どのようなレースだったと評価していますか?
栗田 もともとレース前、「逃げますか?」とよく聞かれて、和生騎手は冷静に受け答えしていました。僕は「逃げなくてもダメではないなー」と思っていて、実際彼とも話して、同じ意見でした。この馬の競馬でのリズムを知っているのは和生騎手なので、宝塚記念はこの馬のリズムを出すことができたレースだったと思います。
――凱旋門賞出走の経緯を教えてください。
栗田 天皇賞・春の後、凱旋門賞の第1回登録の締め切りがありまして、(岡田)牧雄社長からも「一応しとこうか」くらいの感じで、「勝ったらね」くらいのテンションでとりあえず登録をしていました。ただ、宝塚記念を勝ったら場内もそんな雰囲気になり、オーナー(山田弘)からも牧雄社長からも凱旋門賞という声は出ていました。一方で、レコード決着だったのでオーナーもその直後のダメージを心配していて、厩舎として凱旋門賞の準備と馬の状態の把握というのを並行して早急に進めました。
――状態が確認でき、凱旋門賞の出走を決めた時に岡田牧雄社長からは何か言われましたか?
栗田 まず言われたのは「行くなら直行だよ」と。「あまり長く置いときたくないから」というのが理由で、その考えをベースにしながら、スケジュールを考えました。その他に関しては「あとは徹くんのやりやすいようにやりなさい」と言ってもらいました。
元調教師の義父からかけられた言葉
――元調教師の義父・博憲さんからは何か言われましたか?