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アメリカ人記者は日本代表をどう見たか? 絶賛コメント「カマダは一番危険な選手だ」それでも本音は「米国代表は4人も主力がいなかった」
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/10/02 11:03
9月23日の日本代表対アメリカ代表。久保建英(写真)らの活躍で完勝した日本代表だが、アメリカ人記者はどう見たのだろうか?
「とはいえ、日本戦の先発でピッチに立った選手たちはワールドカップの舞台を経験したことのない顔ぶればかりでした。連係が良くなかったですね。パスを出して直ぐにリターンをもらうとか、ダイレクトでの速い展開、3人目の動き、逆サイドへのパスなどが見られず、呼吸が合っていませんでした。若い選手が多い分、経験不足や逆境に踏ん張れない姿が出てしまいましたよ。
私が思うに、若い選手たちはすぐに結果を求めたがります。代表チームで活躍し、スーパースターになりたいが故に個人プレーに走りがちです。そういう“若さ”が出たように思いますね。
同時に、今の代表チームにはコンスタントにゴールを決めることの出来るストライカーがいない点が大きな問題です。日本戦を見る限り、不安を覚えました。2022年よりも2026年に花が開くのではないか、と感じさせるようなチームです」
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かつて米国代表チームには、キャプテンを務めたクリント・デンプシー、長く10番を背負ったランドン・ドノヴァンという点取り屋の存在があった。が、彼らに代わる若手の台頭が見られない、とグロス記者は言った。
「まぁ、それは万国共通の課題でしょうが……」
ワールドカップにおける近年の米国代表を振り返ると、02年日韓大会でベスト8、06年ドイツ大会では予選リーグ敗退。10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会では共にベスト16、18年ロシア大会は出場出来なかった。浮き沈みはあったものの、アメフトが国民的競技である米国において、この20年ほどでサッカーも市民権を得るようになった。
90年代には「サッカーはアメリカ向きでない」「女性のスポーツだ」と語られていたが、フランク・ランパード(英国)、ウェイン・ルーニー(英国)、カカ(ブラジル)、アンドレア・ピルロ(イタリア)、ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン)等がMLSに加入し、また旧西ドイツ代表としてイタリアW杯を制したユルゲン・クリンスマンが代表チームの指揮を執ったことで、大きな成長を遂げた。
そして、ロシア大会の出場を逃してからのアメリカサッカー界は、若手の育成に力を注いでいる。
MLSの各チームが下部組織を充実させるだけでなく、多くのクラブチームが誕生し、大会の数も急増中だ。この国の特筆すべき点は、プロになるまでは複数の競技を並行して体験させ、異なった体の動きをアスリート自身が感じ、様々な筋肉を使うことで能力を伸ばす、という考え方である。MLSのアカデミー(ユースチーム)でも、「ウチの練習を休まれては困るが、高校の部活で他のスポーツを経験することも良いことだ。可能な範囲でやったらいい」と指導者たちは口を揃える。
「カマダは一番危険な選手です」
さて、グロス記者の目に、日本代表はどう映ったのか。