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アメリカ人記者は日本代表をどう見たか? 絶賛コメント「カマダは一番危険な選手だ」それでも本音は「米国代表は4人も主力がいなかった」
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/10/02 11:03
9月23日の日本代表対アメリカ代表。久保建英(写真)らの活躍で完勝した日本代表だが、アメリカ人記者はどう見たのだろうか?
「日本代表は随所に激しい当たりを見せ、展開力もスピードもアメリカ代表を上回っていました。いいサッカーをするな、という印象です。本来、アメリカがやらねばならないことをしていましたね。バックラインからのビルドアップも良かったです。そして中盤でボールを奪って攻撃に繋げる策がハマって、カウンターアタックに結び付いていました。日本のプレッシャーの掛け方、テンポ、戦い方は洗練されていると感じます。グループステージで戦う相手にとって、あの組織力は厄介なものになるんじゃないでしょうか。
正直な話、『主力さえ戻って来たら、アメリカの方が日本よりも強い』とも言い切れません。それくらい日本の速いパス回し、ダイレクトパスが機能していました」
少々褒め過ぎのような気もするが、彼の言葉には自国代表チームへの落胆も大いに混ざっているように感じられた。
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「私が日本チームで最も注目したのは、鎌田大地選手です。ゴール嗅覚がありますし、パスをもらう前の動きがいい。とても危険な選手です。彼のプレーは見ていて楽しかったですね。鎌田選手だけでなく、日本のサッカー自体が見る人を魅了していましたよ」
「それは…難しいグループですね」
アジア最終予選で苦しんだ日本代表の姿を目にしていない異国の記者は、サムライブルーのサッカーに可能性を感じたようだ。先入観無しの一つの意見として耳にすると、希望が湧くかに思えたが……ドイツ、コスタリカ、スペインと同じグループだと分かると、グロス記者もトーンダウンした。
「それは、難しいグループですね。コスタリカは北中米カリブ海サッカー連盟国の中で強豪の一つです。言うまでもなく、ドイツ、スペインはワールドカップで優勝経験のある強豪。ただ、先日ハンガリーに0-1で負けたように、今のドイツにはかつてほどの勢いが感じられません。もし、日本がベスト16に駒を進められたら、後々まで語り継がれる偉大なストーリーになりますよ。
我がアメリカ代表も、日本戦の敗北をしっかり反省して本大会に繋げてほしい。ケリン・アコスタの献身的なプレーが、きっと素晴らしい効果をもたらすでしょう。ベストな状態で、開幕を迎えてほしいです」
両チームはW杯本番に、どう結びつけるか。開幕は刻々と近付いている。