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アメリカ人記者は日本代表をどう見たか? 絶賛コメント「カマダは一番危険な選手だ」それでも本音は「米国代表は4人も主力がいなかった」
posted2022/10/02 11:03
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph by
Kiichi Matsumoto
現在、米国メジャー・リーグ・サッカー(MLS)西地区で首位を走るLAFC。今季途中からイタリアの名DFジョルジョ・キエッリーニとウェールズのFWガレス・ベイルが加わり、盤石といった強さを見せている。
そのホームゲーム全てを記者席から見つめるジョッシュ・グロス記者が、9月23日に行われた日本代表と米国代表の試合をテレビで観戦した。グロス記者は、サッカーのみならず2000年からMMAの取材もこなしており、様々なコラムを執筆中だ。米国で最も権威のあるスポーツ総合誌『スポーツ・イラストレイテッド』や『ザ・ガーディアン』『ESPN』などで舌鋒の鋭さを評価されている。そのグロス記者に、日本が鎌田大地と三笘薫のゴールで2-0と米国に快勝したゲームの感想を訊いた。
「アメリカ代表チームは、エースであるクリスチャン・プリシッチ(チェルシー)、DFのマイルズ・ロビンソン(アトランタ・ユナイテッド)、アントニー・ロビンソン(フラム)、MFのユヌス・ムサ(バレンシア)といった主力を欠いていましたから、かなり戦力ダウンしていました。敗因はそこでしょう。攻撃がチグハグで、思うようなサッカーが出来ていませんでしたね。コンディションも良いとは言えなかったんじゃないかな。個人的に大いに期待しているLAFCのMFケリン・アコスタも出場機会がありませんでした……」
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確かに、カタールW杯の予選を戦っていた米国代表チームとは、まるで別の集団となっていた。戦いに対する気魄といったものも感じられなかった。
「MFのプリシッチは、24歳にしてA代表歴が6年を超えたアメリカ・ナショナルチームの顔です。彼を中心としたチーム作りをしているのは間違いありません。今や、精神的な柱にもなった感があります。
25歳のセンターバック、マイルズ・ロビンソンも、188センチの高さを生かした守備に定評があります。対人に強く、カバーリングも光っています。同じく25歳の左サイドバック、アントニー・ロビンソンはイングランド生まれで、エバートンの下部組織で育ちました。10代の頃は膝の痛みに苦しんだ時期もありますが、サイドを駆け上がるオーバーラップは何度もアメリカ代表チームにアクセントを生んでいます。
そして、19歳のMFムサ。ガーナ人の両親を持つムサは、17歳にしてリーガ・エスパニョーラでデビューした逸材です。身体能力が非常に高く、サッカーIQの高い選手です。いつも、いいポジションをとっていますし、足も速い」
「ストライカーがいない」問題
グロス記者の挙げた未来ある選手たちは、確かに若い。これからいかに育つかに期待がかかる。