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「クボはスペイン語堪能で主力に可愛がられている」「決定機を逃し続けることは…」久保建英の序列・課題をソシエダ番記者が分析
posted2022/08/21 11:05
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph by
Daisuke Nakashima
イマノル率いる今季のチームにおいて、クボは最大6人ものハイレベルな選手たちとポジションを争うことになる。先述したシルバに加え、ブライス・メンデス、ミケル・オジャルサバル、アンデル・バレネチェア、モハメド・アリ・チョ、そしてカルロス・フェルナンデスである。
彼らとの関係は、イマノルが最終的にどのシステムを選ぶかによって変わってくる。
イマノルがベースとしてきた4-3-3/4-1-4-1のシステムであれば、クボの起用ポジションは2つ。右インテリオールと右ウイングである。前者はシルバがプレー可能な限り先発できる可能性は低いため、当面は後者の先発をタイプの異なるドリブラーのアリ・チョと争うことになりそうだ。
オジャルサバルが復帰すれば先発機会は減少する
プレシーズンのパフォーマンスを見る限り、クボはアリ・チョに一歩先んじた立場にいると言えなくもない。ただこのポジションはカルロス・フェルナンデスやバレネチェア、何よりクラブの象徴的存在であるオジャルサバルもプレー可能だ。ゆえに長期離脱中の彼が復帰すれば、クボの先発機会は確実に減少するだろう。
またオジャルサバルの離脱以降、イマノルはロンボ(ひし形の中盤)の4-4-2も好んで用いるようになった。MFを1人多く起用することで中盤の支配力を高め、ウイングの役割は両サイドバックに託し、2トップに幅広く動き回ることを求めるシステムである。
このシステムでもクボはトップ下と右インテリオールでプレーできるが、先発への道のりは険しい(注:開幕戦では2トップの一角でプレー)。シルバという絶対的存在に加え、主将のアシエル・イジャラメンディ、クラブ史上4番目に高い移籍金で今夏加入したブライス・メンデス、そして新たにトップチームへ昇格したベニャト・トゥリエンテスとロベルト・ナバーロまでもが、クボより有利な立場でプレシーズンをスタートしているからだ。
だがそれらの序列はあくまでも現時点におけるセオリーでしかなく、ピッチ上の活躍次第で覆すことができるはずだ。