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「クボはスペイン語堪能で主力に可愛がられている」「決定機を逃し続けることは…」久保建英の序列・課題をソシエダ番記者が分析
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/08/21 11:05
開幕戦でいきなり結果を残した久保建英。とはいえレアル・ソシエダでの競争は続いていくことになりそうだ
実際、クボは今夏のプレシーズンで最も大きなインパクトを残した選手の一人だ。加入直後からチーム内における自身の役割とイマノルが求めるプレーを理解し、テストマッチでは異なる2つのシステムに即したプレーを実践していた。
スペイン語が堪能で主力にも可愛がられている
今回のレアル・ソシエダ移籍が、スペインで活躍する最後のチャンスになるかもしれない。そんな覚悟を感じさせるほど真剣に、クボは1分1秒を惜しむように、アクセル全開で新シーズンに向けた準備に取り組んできた。
テストマッチでは2つのゴラッソを決めかけただけでなく、よくプレーに絡んでいた。ボールに触れれば巧みなテクニックを披露。新たなチームメートたちともスムーズに連係を築き、ことごとくファウルで潰されたアスレティックとのバスクダービーでも、臆することなく強い気持ちで戦った。
今夏最後のテストマッチだったアスレティック戦で、恐らくイマノルはカディスとの開幕戦を想定した先発メンバーを組んでいる。クボはその1人に選ばれたわけだが、実際に先発デビューのチャンスがあるかどうかは、怪我明けのシルバのコンディション次第となるだろう。
スビエタでの日々を目の当たりにしている関係者はみな、クボのトレーニングに取り組む姿勢に良い意味で驚きを示している。ジムでのフィジカル強化を欠かさず、ベストコンディションを維持すべく治療や休息、食事の内容といったディティールにまで気を配る。あらゆるクラブ関係者との関係構築にも努めているという。
スペイン語が堪能なため、チームメートとのコミュニケーションにも支障はない。よく話すのはトゥリエンテスやアンドニ・スビアウレ、ロベルト・ナバーロ、ジョン・カリカブルら同世代の若手組で、アリツ・エルストンドやイゴール・スベルディア、マルティン・スビメンディ、オジャルサバルら主力選手にも可愛がられている。
「まるでブラジル人だ」と言わしめるほど
加入直後は控えめな印象を与えたが、本人が入団会見で認めていた通り、お喋り好きな性格のようだ。スビエタでは「日本人のように教養があり、行儀の良い奴だ」と冗談交じりに言われているという。
とても従順で、イマノルが言うことには素直に従うが、ボールを持てばイマジネーション溢れるプレーで周囲を魅了し「まるでブラジル人だ」と言わしめる。