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「タケ・クボは2020年から強化リストに」「新たなウーデゴール、シルバの後継者」番記者が知る“久保建英・ソシエダ長期契約のワケ”
posted2022/08/21 17:04
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph by
Juan Manuel Serrano Arce/Getty Images
レアル・ソシエダのスポーツディレクター、ロベルト・オラベが長らく抱いてきた望みがようやく実現した。
タケフサ・クボは2020年からレアル・ソシエダの強化リストに名を連ねていたが、彼を巡るコンタクトや情報収集が始まったのはさらに以前のことだ。その過程は、さながら弱火でコトコト煮詰めていく料理のようだった。
若い才能を伸ばすことに力を注いできたスビエタの環境であれば、クボが秘めるポテンシャルを引き出すことができる。周囲の理解を得られずとも、オラベの確信が揺らぐことはなかった。
日本とスペインで長くプレーしてきたクボは、しばしば我々にまるでベテラン選手のような印象を与える。だが、彼はまだ若い。オラベは彼がどのような選手であり、どのような可能性を秘めているかよく理解している。
タケ・クボを「新たなマルティン・ウーデゴール」に
ラ・レアルの目的は明確だ。タケ・クボを「新たなマルティン・ウーデゴール」にすることである。
大げさな目標に聞こえるかもしれない。だが実際、関係者たちは彼とノルウェー人MFの間に、プレースタイルだけにとどまらないいくつもの共通点を見出している。
ウーデゴールはレンタル先の中小クラブで不安定なパフォーマンスを繰り返した末、2019年に20歳でレアル・ソシエダにやってきた。
地に足をつけてフットボールに取り組める環境を必要としていた彼は、サン・セバスティアンで飛躍のきっかけを掴んだ。レアル・マドリーが2年目のレンタルを認めず、本人の意思に反して1年でラ・レアルを去ることになったものの、あの1年で彼は全く異なる選手へと変貌を遂げた。
結局レアル・マドリーはウーデゴールの才能を生かすことなく、4000万ユーロの移籍金と引き換えにアーセナルへと手放した。それでも、今や彼はプレミアリーグの歴史ある強豪クラブでキャプテンの一人を務めるほど重要な選手に成長している。
ウーデゴールと同じ期待が久保にもできるワケ
クボにも同様の成功が期待できるというのが、クラブの考えだ。